■ 『変に青く波のない水面』 の
モデルとなった場所は、
「元屋敷」ではありません








2014年3月、mixi の「ヨコハマ買い出し紀行」コミュで、

あるヨコハマファンの方が
(仮に Jさん としましょう)

『「変に青く波のない水面」 の
モデルになった場所を見つけた!』


という驚きの発言をされました。



彼の主張は以下のとおりでした。








■『アルファさんたちの見ている水面は 「元屋敷」』


元屋敷 とは、京急『三浦海岸』駅 から見ると、
西1キロあたりに位置する土地です。

(下の地図で、赤丸のある辺りです)






現地系ヨコハマファンにとっては、

『 「台の原のお社」 から、南へ1キロほど』

…と言ったほうがピンとくるでしょうか?




そこの東が、少し小高くなっており、
アルファさんたちは その辺り…

今で言う、『上宮田小学校』 の、西隣りの路上 から、

水面(元屋敷)を見下ろした…
というのが、Jさんの主張です。







■『2人は、西北西 を向いていた』


そうすると、

その方向に見える付近の地形と、
漫画内の風景が合致
し、

漫画内のコマ(旧版9巻・100ページ・上)の
彼方に見えている山の稜線も、
神奈川県 西部の「箱根山」 近辺のそれと酷似するのだとか…










上記2つの話をサラッと聞くと、
たしかに可能性はありそうに聞こえますね。



ただ、アルファさんたちの眺めていた水面を
「元屋敷」 と仮定
すると、

実は、いくつか大きな矛盾が発生してしまう のです。




そこで、そのあたりを、

コミュの掲示板を通して
Jさんに指摘 してみたところ…



Jさん に 完全無視されてしまいました。






実のところ、彼には以前から
こういう傾向がありました。


「ミサゴの出生」 について話し合った時に、
僕が 彼の考察の矛盾を指摘 したところ、

無言で僕をマイミクから外すわ、
一方的にアクセスブロックするわ
と、


ちょっと… いや、正直な感想を言わせてもらえば、

「大人としてありえないのでは?」 と憤らざるをえない
不快な態度を取られた過去もあったのです。





その経緯もあって、さすがに今回は僕も看過できず…

また、おかしな説が定着してしまうことへの危惧もあったため、


自分のサイト上で、

『彼の主張の 矛盾点』 への指摘

をまとめることにしました。









▲矛盾点1

『背景の山々は、
箱根山にしては近すぎる』







Jさんは、漫画内のコマ (旧版9巻・100ページ・上) の
彼方に見えている山は、

『箱根山などを含む 神奈川県 西部の山々である』

と主張しています。





が、そのコマをよく見てみると…

それらの山の上に、
「鉄塔」 らしきものの点在が確認できる
ことに、

あなたもお気づきになるのではないでしょうか?








元屋敷から、箱根の山々までは、
相模湾をへだてて、

実に 50キロ以上も離れています


とても 鉄塔を目視できる距離ではありません。


(また、実際の箱根の山々 を見てみても、
こんな鉄塔らしきものは目視できません)






山の上の建造物が見て分かる以上、

これらの山々までの距離は どんなに遠くても、
せいぜい 10キロ以内 ではないでしょうか?




少なくとも、

『これらの稜線が、箱根山のそれではない』

ことだけは、確かなようです。






ちなみに僕自身は、

「変に青く波のない水面」 を
探し始めた当時は、

「これらの山々は、距離的に 大楠山 の一帯ではないか?」

と考え、それを元に該当地を探していたものです。




ところが、ある日、

これが大楠山方面だとしたら、
ある 大きな矛盾がある
ことに気づき…

以降は、まったく別の方面から探すようになりました。




その矛盾とは、何だったのか…?

それについては、もう少し後でお話しますね。



この矛盾点は 実は、

Jさんの主張の矛盾にも、大きく絡んでくる からです。








▲矛盾点2

『ココネにとって「元屋敷」近辺は、
通い慣れた場所である』







夕凪の時代の三浦半島は、

海面上昇によって、
海岸線がグッと内陸に入りこんできます。


つまり、通行できる場所が かなり限られてくる わけです。



ココネは、

そんな三浦半島の高台に、背骨のように残っている
『横浜横須賀道路』 (横横道路) を経由して南下…

衣笠佐原 のインターで降りて、

カフェアルファ まで歩いて(あるいはバイクで)
通っているわけですが…




実はこのとき、ココネは、

必ず 「元屋敷」近辺 を通過する必要があります。




というのも、

夕凪時代の 京急『三浦海岸』〜『三崎口』 の一帯 は、

『上宮田小学校』 の近辺を除いて、
全て水没してしまう
からです。



となれば、北から訪れた者は、

付近で唯一 残った、
「元屋敷」近辺の 細い高台を通過する以外、

カフェアルファなどがある 「三浦半島 南端部」 に
入る手段が無い
と考えるのが自然ではないでしょうか?





(これは、海面を 「13メートル」 上昇させた場合を
想定したマップです。

上宮田小学校 近辺 (赤い矢印のあるところ) では、
そこ以外に通行の選択肢がないほどに、
海岸線が狭まってるのが お分かりでしょうか?)






…だとすれば、おかしなこと に気が付きませんか?



漫画内のココネのセリフからして、

彼女が、「初めて この風景を見た」 と考えるのは
皆さんも異論ないところだと思います。



ところが、当のココネは、
先ほど書いたとおり、

配達などを通じて、今まで何度も、
「元屋敷」近辺 を通過していたはず
なのです。




通い慣れた道の 「すぐ近く」 の風景を、

今回 アルファさんに紹介されて「初めて」目にした
なんて事が、ありえるでしょうか…?





(ここでは使えませんが、 Jさん自身の制作した、
「海面上昇した三浦海岸近辺の地図」を見ても、
「元屋敷」の東側は、近隣よりズバ抜けて陸地が細くなっています

Jさん、自分で地図を書いていて、
「あれ? これだけ細いということは…」
と気づかなかったのかな…(苦笑))







「変に青く波のない水面」 の所在地は、
『ココネが今まで ほぼ行ったことのない地域』
と考えるのが自然であり…


その意味では、「元屋敷」近辺 は むしろ、

可能性が低い場所の 筆頭である

としか、僕には思えないのです。




逆に、可能性が高い のは、

『カフェアルファより南 の地域』
だと考えられます。


ココネが「カフェアルファ」だけを目的に
三浦に訪れている場合、
通過の必要のない区域 だからです。








▲矛盾点3

『元屋敷の近辺は、
「山の中」とは言い難い』







ちょっと気づきにくいですが、

ココネは 「変に青く波のない水面」に関して、
かなり重要なヒントを口にしています。




それが、同100ページの中ほどの、

『山の中に〜』 の一言です。







たしかに、100ページ上のコマから見た風景は、
それなりの標高がある (つまり、「山の中」ぽい)
ことを感じさせますね。







ところが、上宮田小学校の近辺は、

「山の中」 と呼べるような場所ではありません。



近くにある 『台の原のお社』 の丘のような、
ちょっとした高台 にすぎない のです。





しかも、その高台は、
夕凪時代の、12メートルの海面上昇によって、

現在より さらに標高が
12メートル低くなっている
はずです。




たとえば、近隣の丘と同じぐらいの高さを持つ
「元屋敷」の近くの 京急 『三崎口』 駅 は、
標高32メートルだとか…

これは、夕凪時代には、
標高20メートルになることを意味します。




たかだか高さ20メートル前後の場所を、
「山」などと称するものでしょうか?




また、件のコマからの風景は、

海面から20メートル程度の高さしか無いような
(比較的)海面に近い場所に、
本当に皆さんには見えますか?











ちなみに後日、ちょっと思いついて、

「海面上昇をテストできる地図」で、
海面を 40メートル ほど上昇させてみたところ…


得られた地図は、下のようになりました。






一目瞭然ですね。


三浦市は、引橋交差点 を中心とした一帯 のみを残して、

完全に島化してしまっております。



それはイコール、

引橋の一帯以外は、
「山」 と呼ぶには低すぎる 丘にすぎない


ことを雄弁に語っています。




その証拠に、Jさんが主張していた「元屋敷」近辺 の台地は、

すべて完全に水没して、跡形もありません。








▲矛盾点4

『そもそも、方角が矛盾している』






Jさんによると、

アルファさんたちが、元屋敷に立って、
漫画のコマのような風景を見るためには、

『西北西』 を向く必要がある
そうです。



そしてJさんは、このコマを例に挙げ、



『アルファさんたちの服の影の付き方を見ても、
西北西を向いているのは明らか!』
と力説しています。




これには、さすがに呆れ返りました。 



皆さんもぜひ、このコマを
よく観察してみてください。


あなたには、「光源(太陽)」
どちらにあるように思えますか?



僕には、 にあるように思えます。



少し左ナナメ前を向いているココネの
「背中の一部」にまで光が達している
ことからも、

これは明らかだと思います。



また よく見ると、ココネの帽子の影も、
画面に対して 左側 についていますよね。

光源が右にあるから、影が左につくわけです。






それでは、皆さんに質問です。



もし、Jさん の主張する通り、

「アルファさんたちは 西北西を向いている」

のだとしたら、

この影の付き方から導き出される 太陽の位置 は、
一体 どこになると思いますか?







答えは、なんと (正確には 北北東) です。



これは東西南北のうちで、

「最も、太陽の位置としてありえない方角」

と言えるでしょう。



僕が、彼の発言に呆れはてた理由が、
お分かりいただけるのではないでしょうか?










以上4点が、僕が Jさんの

『元屋敷 = 変に青く波のない水面』 説

から見出した、矛盾点です。



この説には かなり無理があることが
ご理解いただけたのではないと思います。





しかし、それでは逆に、
僕が主張している

『金田の谷 = 変に青く波のない水面』 説 では、

そのあたりは どうなのでしょう?



他人の説の否定ばかりで、
自分の主張する説について同様の検証を行わないのは、
卑怯に思えるので、

以下で、1つ1つチェックしてみることにしました。













■『水面の向こうの丘までの距離』


金田の谷 (と僕が勝手に呼んでいるだけですがw) は、
夕凪時代には「反対岸」となる、谷の向こうの丘まで、

場所にもよりますが 1 〜 1.5キロ程度しかありません。



丘の上の鉄塔(あるいは電柱?)を目視可能な、
十分な近距離にあります。








■『ココネが今まで 行ったことのない地域』


金田の谷 は、三浦半島のかなり南端で、

カフェアルファ(黒崎とした場合)からも、
さらに南東に4キロ以上も行ったところにあります。



北からカフェアルファ目当てにやってくるココネは、
まず訪れない地域
と言えるでしょう。







■『引橋交差点の東一帯は、
「山」と呼ぶにふさわしい』



三浦市最高峰は、標高82メートルの 岩堂山 ですが…


実は、近くの 引橋交差点 が、

それに匹敵するほど高い
(というより、ほぼ同じ) という事実をご存知でしょうか?



そこから、東京湾に向かって降りていく なだらかな坂道は、
付近からもグッと標高があって、驚くほど視界も開け、

あたかも 龍の背 にそって
地上に降りていくような気分が味わえる、
絶景ポイントの連続地帯でもあるのです。




そして、その 龍の背 に隣接するのが、
件の 「金田の谷」 なのです。




三浦市の高所の代表であるこの一帯は、

「山」 と称するにふさわしい場所の1つ

と 言えるのではないでしょうか。





(これは、海面が 40メートル 上昇した場合を想定したマップです。

逆に言えば、このマップで水没していない場所は、
最低でも 40メートル以上という、それなりの標高を持つ場所なのです。)








■『アルファさんたちが向いている方向は、
南東 〜 南南東』



先ほど、「Jさんの主張どおりだとすると、
太陽の位置は「北」になってしまう」
と指摘しましたが、

それでは逆に、

実際には アルファさんたちは、
どの方角を向いていたのでしょう?




これを知るために確認すべきは、

ココネたちが 「変に青く波のない水面」 を見ていたのが、
1日のうちの どの時間帯か? という点です。


それを今から確認してみましょう。

皆さんもぜひ、第84話の載ったコミックスを片手に
以下を読んでみてくださいね。





ココネたちは、まず、
「お昼」(昼食後ぐらいでしょうか) に
子海石医院 を出発し、


フワッフワッと気まぐれに曲がるアルファさんと共に、
しばらくツーリングをした後、
変に青く波のない水面 に到着しています。



その後は、

自販機の小屋 に寄り、

ここらじゃ一番高い丘(岩堂山) で缶飲料を飲み、

しばらくアルファさんの昼寝に付き合った後、

日が暮れて間もない カフェアルファ に帰宅したようです。



加えて、彼女たちの服装からして、
季節は 「秋・冬・春」 のいずれか

日没が、比較的 早い時期 と考えられます。






以上のヒントから、

ココネたちが 「変に青く波のない水面」 を
眺めていた時間帯は、

午後2〜3時ごろ と考えるのが妥当

ではないでしょうか?



だとすれば、

太陽の位置は 『南西 〜 西南西』 あたり

という事になります。




ここまで分かれば、あとは簡単ですね。


画面の「右」が、「南西 〜 西南西」 ということは、

画面の正面 (アルファさんたちの向いている方向) は、

『南東 〜 南南東』





引橋交差点の東の 「龍の背」 から、
南南東あたりに広がる 「金田の谷」 を
見下ろしたと考えると、

方向的に、とてもシックリくるわけです。










同時にこれで、

僕が最初のほうで、
「彼方に見えている山(丘) が大楠山方面だとしたら、
ある 大きな矛盾がある」
と書いた理由が、

皆さんにも ご理解いただけたのではないでしょうか?



そうです。

『南東 〜 南南東 を向いたときに、
大楠山一帯を見渡せるような場所など、
三浦市には存在しない』
のです。



強いて言えば、逗子 の北部の丘あたりからなら、
こういうふうに見える可能性が
無きにしもあらずだとは思うのですが、

とても、アルファさんたちが
バイクで日帰りできる距離ではありません(笑)











今回のこのページを読んで、

あるいは一部の方は、
「ふきさん、他人の説を否定なんかして、心がせまいなぁ…」
と、思われたかもしれません。




が、僕は、作品世界の考察 というものは、

「自分の思い付きを正当化」 するためのものではなく、


『作者さんから与えられた情報を、
「客観的に現実と照らし合わせて」推理し、
ファン同士で共有するところに、意味・楽しさがある』


と思っています。




ファン同士で馴れ合って、
理論的におかしい「考察」を褒めたたえあったり

自分の考察(理論的におかしいもの)を
指摘されたからといって、
その相手を敵視するような姿勢で、

本当に作品世界が読み解けるのでしょうか…?





この場を借りて、

あらためて Jさんに言いたいのです。


『自分の考察が本当に正しいと思うのであれば、

「無視」などという、発展性のない卑怯な手段ではなく、

『理論的な材料』 によって、僕に反論してください』
と。





もし今後、彼からの理論的な反論があった場合は、

僕もこのページにおいて、
その内容を 追記 したいと思っています。


そんな日が来ることを、期待しております。










いかがでしたでしょうか?


いつもは 「現地の紹介文」 しか書いていなかったので、

「ふき という人は、適当に自分が気に入った場所だけを
紹介しているのだろう?」


ぐらいに思っていらっしゃった所も
あるのではないでしょうか?(笑)




でも実はウチでは、1つの場所を紹介するまでに、
これだけ多くのポイントについて裏を取り、

「8割方 間違いないだろう」 と結論づけてから
ページ制作に入っております。



僕が、今回の Jさん の主張の矛盾をスラスラと指摘できたのも、

『自分自身がこの場所を探していた当時、
漫画内から得られた上記のヒントについて、
矛盾が出ないようにチェックしていた』
からなのです。

(ただ、「1つ1つの場所について、いちいちそこまで
裏打ちを書き連ねていったら、読む人も大変だろう…」 と考え、
そのあたりはいつも バッサリ省いていますが…w)






また、このページではJさんの論の矛盾を指摘していますが、

ここはあくまで 「僕のサイト」 …

「僕に都合のいい歪曲をしていないと、
なぜ言えるでしょう?」
(笑)



ですから、

どちらが本当の 「変に青く波のない水面」 であるかは、

ぜひ 皆さんご自身の目 で判定してほしいです。




実際に 三浦半島 に足を運び、

そのさわやかな空気を味わいながら、
2つの場所をジックリと吟味してみてくださいね。



たいへんな長文に最後までおつきあいくださり、
本当にありがとうございました。<(_ _)>




(2014 / 05 / 05 記)








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