■ 小網代の入江
               (干潮編)
神奈川県 三浦市 三崎町 三戸
【最寄】 京急 『 三崎口 』
撮影 2007/06/16




 2007年6月16日(土)。 大晴天。 僕は小網代湾の港を歩いていました。

 この日の本目的は三崎港油壺 で、両者を歩きたおしてクタクタになっており、正直もうバスに乗って帰りたかったのですが… 確認したい件もあり、なかばムリヤリ体を押して 小網代の森 へと向かっていたのです。


 白髭神社へと続く丘のそばのカーブを歩きつつ、足元の湾の海面を見たとき… 風景に違和感が感じられました。


 「なんだ この岩肌?」


 いつもは道のそばいっぱいまで見えている水面の代わりに、5メートル近いクリーム色の岩肌と、その上に転がる大小の石が目に入ったのです。

 どうも、干潮 が最大になっている状態に居合わせたようです。



 思えば、満潮は目撃した(おかげで必要な写真が撮れなかった(泣))ことはあっても、干潮の、しかも小網代の港そばの岩肌が見えるほどのものには、お目にかかったことはありませんでした。


 これは、めったに見れない光景に出会えるチャンスかも!

 と、岩場 へと急ぎました。






 マッキ橋 に乗って、港方面を眺めてみると…


 うむ〜… これはすごい…

 小網代の入江 というよりも、どこぞの砂浜のある海岸に遊びに来たような錯覚すら覚える光景が、そこには広がっていました。


 一応、森の小川からの水流があるので、足元に細い水面が残っていますが、もし小川が無ければ、彼方まで完全に砂地になっていたことでしょう…










 続いて、岩場に降りてみました。


 普段なら、時にはこの岩場すら水中に没し、運動靴で入るには覚悟が必要なほどなのに… 今日は岩の表面も完全にカサカサで、その上に数センチのヤリのような貝がバラバラと散乱しています。


 橋から湾へとかろうじて水流が残っていた東側をグルリと見回しましたが…
事前に見ていなければ、とても水流があるとは思えない光景です。

 通常の入江の風景を知っていると、その変わり具合に 気味が悪くなってくるほどですね…

 西側の砂浜も、むやみに広くなっているし…








 取りあえず荷物を岩場において身軽になり、いつもは水面下にある土の上を歩いてみることにしました。


 岩場から最初に土の上に足を置くときに、ちょっと警戒しましたが…

 特にズブリと沈むようなドロ床ではないようです。
 安心し、水流めざして東へ歩くことにしました。


 足元からは、太陽に照り付けられて地中から空気やガスがもれているのか、ジプ、ジプ、ジプ… という小さな音がたえまなく昇ってきます。



 10メートルほど進んだところで、フトすぐそばの、湾のほうからこちらに続いてきている幅1メートルほどの水の流れの境を見てみると…

 30秒に1メートル程度の結構なスピードで、じょじょにこちらへと境目が広がっているではありませんか!(左の2枚の写真は、同じ場所の30秒後の写真)

 つまり、干潮のピークを越えて、海面が元に戻りつつあるのです。



 見たかぎり、この辺りは、地面(水底)の高低差がほとんど無いので、海面の高さが戻ってくると、広範囲がアッという間に水中に戻ってしまいそうです

 ウカウカしていると ちょっとマズい事になりそうなので、すばやく付近の風景の撮影にかかる事にしました。








 これは、小網代湾の「シーボニア マリーナ」です。


 普段よりも撮影ポイントが接近している上に、足元に地面が写っているので、普段のこの辺りの風景を知っている者にとっては、なんとも不思議な光景に見えるのではないでしょうか?






 「岩場もあんなに遠くでーす」 …とか言ってるうちに、岩場と自分の間の水面がじょじょに右へと伸びていっており、実は撮影していて不安でした(苦笑)








 なじみのマッキ橋も、こんな見慣れない角度から…


 水面上昇にアセったせいか、写真がピンボケになっちゃってますが(苦笑)






 今回は、「遠浅の浜辺では、こういう楽しみもあるのだ…」 という基本的な楽しさを久々に思い出させてくれた、すてきな体験でした。


 自然の風景というものは、季節・天候・干満、そして自分の心の持ちようによって様々にその見え方を変えてくれるので、本当に飽きませんよね。


 今日は、そんな「小網代の 顔の1つ」に、また出会えた日です。

 会うたびに親しく、大切な場所になっていく…

 それは、素晴らしいことだと思うのです。





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