■ 昔からの
   水源地
 (葉山編)
神奈川県 三浦郡 葉山町 上山口
【最寄】 京急バス 『 水源地入口 』
撮影 2007/07/24




 マルコに、その甘い仕事ぶりを指摘されて、アルファさんが「水さがし」を始めるのは、11巻・103話ですが…

 その中でアルファさんは、『昔からの水源地は、うちからはすごく遠い』 と発言しています。


 僕自身は、このセリフについては、「あぁ、そうなんだ」ぐらいに軽く考えていたのですが、やはり地元の方はすごいですね。

 横須賀 を地元とする ちーそんさんから、「葉山には、水源地入口という交差点がありますよ?」との情報をいただいたのです。



 「水源地入口」と名乗る以上、近くに何らかの水源があるはず…

 ネットで情報をかき集めたところ、判明しました。 『御用邸 水源地』

 葉山の海辺にある天皇さまの別荘「御用邸」に、かつては、ここで汲んだ水を運搬して使用していたそうなのです。(今はもちろん使用されていません)


 アルファさんの「すごく遠い」という言葉と、にも関わらず夕凪時代の三浦の人が取りに行ける… そんなギリギリの距離を考えると、実にシックリくる水源です。


 というわけで見てきました、アルファさんたちがココ一番で使用していた水源を。






 現地は、葉山(三浦郡)の奥の山に囲まれた領域です。

 京急『新逗子』方面からと、京急『横須賀中央』(衣笠経由)方面からの、2つのルートがありますが、片道で前者は5キロ、後者は10キロ衣笠からは6キロ)あり、アクセスにはバスが不可欠でしょう。


 『新逗子』 からは、「衣笠駅・湘南国際村」に向かうバスに乗り、バス停『水源地入口』 で下車します。

 『横須賀中央』 から来る場合は、一度『衣笠』で終点になるのでバスを乗り換え、「逗子駅」行きのバスに乗りましょう。

 いずれも、20分に1本程度のペースで行き来があります。



 現地にはトイレがありませんので、事前に準備して訪れましょう。
(1軒だけ、地元レストランがありましたが)
















 さて、バス停を降りて現地へと歩きましょう。

 距離にして、ほんの500メートルです。


 バス停のあった県道27号から離れると、急に周りから人工の騒音が消え、ヒグラシのヒヒヒヒヒヒヒヒ… という哀しげな声だけが響きます。
(いや、単に僕が行った日はそうだった、というだけですが(笑))



 バス停の西に見えている 『水源地入口 交差点』 を南に左折し、ややクネクネしたゆるい下り坂を南へと降りていくと… やがて 『水源地 橋』 という露骨な名称の橋を渡ります。


 今度は逆にゆるーく上り坂になりますが、少し行くと 『葉山 清寿苑』(老人介護施設だそうです)の小さい駐車場にたどり着きます。



 そのすぐ右の、ちょっとだけ地面が高くなった林の中…

 薄茶色の木戸と、コンクリの建物が見えるでしょうか?

 あれが、御用邸水源地 の敷地です。














 敷地には入れませんので、周りをグルリと歩いて見てみましょう。

 へんにふわふわした地面なので、ちょっと気をつけて…



 木戸を支える年季の入ったコンクリ柱といい、ややコケむしてゆっくりと林と一体化していく過程の建物といい、それでいて適度に手入れされて涼しげな地面など、なんともいえず清々しい心地になる場所です。



 南側に周ってみると、さらに奥の半円の建物が見えてきます。

 あの中に、井戸か何かがあったのでしょうね。



 ところで、入口はコンクリで封鎖されているのに、夕凪時代のアルファさんたちはどうやってここの水を使用したのでしょう。

 でっかい木槌を持ってきて、皆で「そーれ」とか言って壊したのでしょうか?

 ふ、不敬者っっ。(笑)






 ちなみにこの辺りは、深い緑をたたえた小山がゆったりと周りを囲むように座っており、高原の避暑地を思わせる趣があります。


 僕はよく 三浦半島 の景観を 「ミニ日本」 と例えるのですが…
 この辺りは 「ミニ長野」 という感じでしょうか?


 この近辺と、横浜横須賀道路 の間あたりの緑の美しさは、特筆モノでした。

 バスの中だったので撮影はできませんでしたが、のんびりと山々の緑を眺めながらバスに揺られる道中は、心地良い贅沢でした。


 左の写真は「御用邸 水源地」そばからの風景なので、家々もあってちょっと風情には欠けますが… 似た雰囲気だけでも感じていただければ幸いです。





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