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2007年の5月下旬… 自分は、北海道 の 国道5号線 を南下しつつ 函館 を目指す、自動車の中にいました。
両親との、2泊3日の北海道旅行。 時刻は、午後3時すぎ…
先ほどまでの小雨はやみましたが、相変わらずの曇り空…
「これでは、楽しみにしていた函館の夜景も、雨でオジャンかな…」 と寂しい思いで窓の外を見ていた自分の視界に、そのとき、不思議なものが映りました。
前方の彼方に、黒々とした軍艦のようなものが横たわっているのです。
それは、函館山。
函館の夜景は、この山の山頂にある展望台から見下ろすことになるのですが、夜景ばかりに意識が行って、函館山の姿については今まで見たことも考えたこともありませんでした。
それにしても、日本有数の夜景を眺める場としては、なんと無骨で 色気の無い山なのでしょう…
しかし、そう考える一方で、自分の中に不可解な感慨が芽生えていました。
それは 「見慣れた場所に帰ってきた」 という不思議な感情…
正確に言えば 「三浦半島にやってきた」 という、ありえない感覚だったのです。
たしかに北海道の山々は、その土質によって全体的になめらかで、本州の鋭角的なそれとは決定的に異なっています。
だから、函館山のゴツゴツした形状が、本州のそれのようで、懐かしさを感じさせるのでしょうか?
それとも、函館山の東にある 『立待岬』 から見たやや荒い海が、三浦半島を想起させたのでしょうか?
そうだと思いました。 …少なくともその時は。
その日の夜、小雨の降る中を、奥の観光客にもまれながらも函館の夜景を撮影でき、適度な満足感と共に本州に帰還しました。
(写真は、左上が亀田郡南部の国道5号から…
左下が、五稜郭タワー展望台からの函館山です。)
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