EW(電子戦)用空中線(アンテナ)の形状と配置がほぼそのまま描かれていることから、 「たちかぜ」型DDGの「たちかぜ」又は「さわかぜ」、 「はたかぜ」型DDGの「はたかぜ」のいずれかと推察されます。 これら三隻のうち、「はたかぜ」は JR横須賀駅近傍の吉倉(よしくら)岸壁 に係留されています。 「たちかぜ」は船越(ふなこし)地区の岸壁においてEF(護衛艦隊)旗艦を 務めていましたが、平成19年に佐世保から転籍された「さわかぜ」に その任務を引き継ぎ、除籍され廃艦になりました。 ジャケットが描かれた時期からしますと 「たちかぜ」又は「はたかぜ」を意識して描かれたものではないかと思われます。 ちなみに私はちょうど10年前、佐世保で 「さわかぜ」に電子整備員として乗り組んでいた際に、 件のメインマスト頂部に登り錆打ちや塗装作業をやっていました。 |
■ポイント1 『2つの何か』 レーダー板か、マスト途中の足場かは分かりませんが、 とにかく大小2つの何かが、マストの中間と最上部にあります。 ■ポイント2 『支柱の特徴』 下半分は太く、上半分は少し細いようです。 ■ポイント3 『土台の特徴』 水面すぐの所に出ているものが必ずしも「土台」とは限りませんが、 2段階に幅が広がる何かが確認できます。 ■ポイント4 『必ずしも最上部とは限らない』 ヨコハマ世界に存在するものは、基本的に20〜21世紀の遺物なので、 劣化・破損がありえます。 このパッケージのマストも、必ずしも最上段とは限りません。 ここより上にあったものがポッキリ折れて無くなっているかもしれませんから、 これと完全に同一形状のマスト・レーダーを探しているだけでは モデルになった艦が見つからない可能性があります。 ■ポイント5 『煙突(排気筒)が無い・低い?』 単に、位置的にイラストの右外に出てしまったりココネの背後に隠れて しまっているだけかもしれませんが、この船には煙突が見当たりません。 だとすれば、かなり現代の… つまり、第二次世界大戦あたり以降に造られた船である可能性が高そう… 少なくとも、マスト近辺に、マストに匹敵するほどの高さの煙突を 持たない船である事は確かなようですね。 ■ポイント6 『この船は真正面・真横ではない?』 これはあくまで僕の「感じ」なのですが、マストからのびるケーブルと、 イラストの左右の端付近にあるそれぞれの柱(船のものだと思います)の 太さからして、船全体が岸に対してナナメになっているように思うのです。 正確には、イラスト左のほうが近く、右に行くほど奥になっている… そんな風に感じています。 だとしたら、マスト(レーダー)の見え方もそのように変化しているはず。 単純な横幅の比率だけで比較するわけにはいかないという事です。 ■ポイント7 『おそらく、DVD1巻イラストとも関連がある』 あくまで予想ですが、DVD1巻と2巻のパッケージには、 何らかの関連があると見ています。 つまり例えば、1巻の背景の電柱のように見えるものも艦船の一部で、 1・2巻とも実は同じ船の、別の箇所を描写したものだとか… アルファさん(A7M2)とココネ(A7M3)の型番や経緯に関連させて、 1巻のイラストの艦の後継が、2巻のイラストの艦だとか… 前者は神奈川県に、後者は東京都に関連している艦だとか… いずれにしろ、片方のモデルが分かれば、 そこからもう片方が推測できると考えています。 あくまで予想ですが(笑) |
★あのマストは、『DDG-171 はたかぜ』の時期の 日本艦船のレーダーマストが劣化して、 支柱だけになったものである可能性が高い。 (画像は、DDG-171 はたかぜ) |
★1900年前後のフランスの艦船に、 大小2段構造の足場を持つマストがよく見られる。 足場より上の部分が折れたのだとすれば、 形状的にイラストにかなり近い状態になる。 (画像は、フランスの艦船 Bouvines) |
★OVA1巻のパッケージの、 アルファさんの背後に見えている電柱のような物は、 『DDG-173 こんごう』〜『DDG-176 ちょうかい』で 使用されている、 「柱のようなものが1本だけのびているレーダー」 に似ています。 もしアレがそうだとすれば、 それぞれの艦の造船時期も近く、 かなり高い関連性が期待できそうです。 …というか当初は、 「A7M2」だから『DDG-172 しまかぜ』 「A7M3」だから『DDG-173 こんごう』 のレーダーなのではないか? と思いながらこの調査を開始していたのです。 でも、今回のデータからすると、逆ですよね。 「A7M2が、GGD-173」 「A7M3が、GGD-172」…(笑) (画像は、GGD-173 こんごう のレーダー) |