■ 鎌倉の入江を
   見おろす丘 1
神奈川県 逗子市 小坪?
【最寄】 京急バス 『 小坪 』
撮影 2006/11/08 ・ 2006/11/22




 アルファさんたちが、鎌倉の花火 を見に行った丘…

 その場所のヒントは、『鎌倉の入江』 を見下ろしたときに夕闇に黒く浮かぶ、特徴的な岬の形。 先端付近にV字型の谷間があり、先端の岩場を切り離すようなこの形は、鎌倉の 稲村ヶ崎近辺に間違いありません。



 「稲村ヶ崎」が漫画内のように きれいなV字型 に見える場所となると、「稲村ヶ崎」からほぼ真東にある場所に限定されるのですが…

 その方向には、それらしい「広場のある丘」が存在しないと思うのです。



 以下は、そんな手探りの状態で鎌倉〜逗子を歩き回った、僕の記録です。

 皆さんもごいっしょに、逗子ぶらり旅 と参りましょう。


















 「稲村ヶ崎」の東にあること、広場があること、手前にこんもりとした小さい丘を臨むことから、当初は 「まず間違いあるまい」 と踏んで出かけたのが、ここ 『披露山公園』 です。


 今まで数回訪れたことがあったのですが、今回はかなりいい感じの晴天に恵まれ、富士山 も、なかなかクッキリ見えています。


 が、肝心の稲村ヶ崎を眺めて仰天。 谷間がV字型に見えないのです。
(正確には、谷の向こうに、西のほうの丘が重なって見えてしまっている)

 どうも、作品内の舞台はもっと北に位置するようです。 ショック。



 ちなみにこの公園、逗子海岸・三浦半島西岸・鎌倉付近の海・江ノ島・伊豆半島・富士山 など、さまざまな風景を満喫できる、三浦半島有数の景観地です。

 鳥小屋と猿山もあって、クジャクバト の愛らしさは特筆モノです。


 駐車場完備で、アクセスも比較的容易。
自動車・バイクで訪れる方も安心です。


 バスで訪れる場合は、京急『新逗子』 から 「鎌40」系統に乗り、バス停『披露山入口』 で下車、南の坂道をのぼって下さい。

 バスの本数は行き帰りとも20分に1本ですが、朝夕は通勤の関係で本数が倍増します。


 足にやや自信がある方は、逗子海岸 の西にある 『浪子不動』 というお寺の脇の小道から森をのぼっても、たどり着けます。

 途中にある防空壕らしき穴の跡が、この坂の歴史を実感させます
















 次の候補地は 『大崎公園』

 披露山公園 から、すぐ西にある 披露山庭園住宅地 を、西に通り抜けた先の丘にある公園です。



 入口がちょっと分かりにくく、『披露山公園』ほどの設備はありませんが、こちらもなかなかの景観が楽しめます。

 特に、三浦半島西岸に関しては、海に出っぱっている分、こちらのほうがより遠く美しい景色を眺めることができるのです。

 足下に逗子マリーナも広がっています。



 ただ、展望台が無く、公園の西側を木々が囲んでいるため、富士山 などの見やすさは実は『披露山公園』のほうが上だったりします。



 稲村ヶ崎 の見え方は… あぁ、ダメですね。

 披露山公園で見たときよりも、角度が深くなってしまっています。












 日をあらためて向かったのは、鎌倉市の端にある、『鎌倉市立 第一中学校』

 位置といい丘の形状といい、前回の失敗を元に得たデータから、なかば「ここ」と確信しておりました。



 披露山公園のときと同様に、京急『新逗子』 から「鎌40」に乗車し、逗子マリーナのそばのトンネルをくぐった先にある バス停『飯島』 で下車します。


 バス停そばのコンクリの堤防のようなものを乗り越えてみると、駐車場の彼方に見える 稲村ヶ崎 は…

 おお! きれいなV字型の谷を見せているではありませんか。

 もう勝ったも同然です。(誰に)



 意気揚揚と坂を登り、『第一中学校』に着いた僕は、しかしショックで卒倒しそうになりました。 学校のすぐ西に、ズドーンと丘が横たわっていたのです。 鎌倉の海は完全にシャットダウン状態。

 なんとかこの丘自体に登れないか? と周りをグルグル歩いてみたのですが、それらしい道は発見できませんでした。 付近の住宅街を歩き回り、入れるかぎり小道に入ってみたのですが、どうしてもダメ…

 泣く泣く、別の候補地を探すことに。










 逗子マリーナまで戻って、先ほどの丘を見上げてみると、ポツポツと民家らしきものが見えています。

 という事は、あの辺りまで行ける道があるということです。

 「それを見つければ、新たな候補地のも見つかるかも!?」 と考え、丘の南斜面についているいくつかの小道を、登ったり下りたりしてみたのですが…

 どうしても西側の高い斜面が、風景を妨げてしまいます。



 結局 見つかったのは、ひなびた感じが心地良い、小さなお寺が2つだけ…
(ヨコハマ 関係無いし)

 最初のお寺の、日当たりの良い板段の上には、よく見れば黒猫が…














 逗子マリーナの北東500メートル、湘南道路 の高架下にある、バス停『小坪』 まで戻ってくると、北東にのびるやや急な坂道が…


 「もしや、これを登ることで、丘の上に行けるのでは?!」 と意気込んで入ってみるも、湘南道路と合流するだけの道のようでした。

 ただ、さらに前方(北西)の高い場所に、湘南道路を渡るように設置された小さな橋が見えています。


 道路の北側の町からなら入れそうなので、バス停まで戻り、湘南道路の北の道を進みます。 ようやく見つけた、橋へ続く道。 クネクネした小道を登り、先ほどの橋を越え、工事現場の覆いらしき壁と竹林の間の小道を進んでみると…


 急にバン!と視界がひらけ、彼方には 稲村ヶ崎 が!

…見えなくて、代わりに逗子マリーナが見えていました。



 肝心の稲村ヶ崎は、やはりまだ西の丘の裏。

 工事現場の広い敷地には、その西の丘の林の中に入っていけそうな道が続いています。 この場所からなら、柵は低く、侵入は可能です。

 『行くか?』 と、一瞬危ないことを考えましたが、思い直してUターンしました。


 あぁ、『鎌倉の入江を見下ろす丘』 はどこに…?








 なかばヤケクソになって湘南道路の北の道を進む僕の目に、湘南道路のトンネルの上に並ぶ民家と、そこに至る石段が映りました。

 その根元には 『住吉城 址(あと)』 と書かれた道標が…


 これだ!

 この というのが、いかにも 『ヨコハマ〜』 の雰囲気に似つかわしいではありませんか!

 しかも 城跡 と来れば、広場はあって当然です。


 この数時間に及ぶ苦労は、ここに至るためのイキな演出に他なりません。

 見たか神様、やったぜ自分。



 石段の一番上では、『住吉隧道』 なる、これまたいかにも「鎌倉〜」という感じの簡素なトンネルが。

 ここを抜けた先に『住吉城址』 が…

 『鎌倉の入江を見下ろす丘』 が待っているのですっ!



 トンネルをくぐり抜けてみると、そこは坂にそって民家が建ち並ぶ、急な坂道のてっぺんでした。

 5分ほどかけて下まで降りてみると、先ほどそばを通った、逗子マリーナの広場に続いておりました。 そーか、ココにつながっていたのか〜。


…というか、『城址』 なんて無かったですよ??


 てっぺん付近で工事をしていたけれど、あれが城跡の広場の工事だったのだろうか? 肝心カナメの稲村ヶ崎も、西側にならぶ民家がジャマでほとんど見えないし。 そもそも広場じゃないし。


 等々、いくつもの疑問を抱えたまま、泣く泣く帰宅。

 後で調べたところ、『住吉城址』 は本当に小さなもので、周りも木々に囲まれて見通しが悪いそうです。 工事していた場所の詳細は不明。



 ということで、今回チェックした場所は全滅でした。 ヒー、悲惨。 






 まとめてみると、どうもあの 『橋を渡った先の、広い工事現場』 が、今後「広い公園」になり、それが夕凪の時代になって 『鎌倉の入江を見下ろす広場』 になるようですね。 はははは。

 じゃあ、次の撮影は50年後ぐらいかな?

 僕 おじいちゃんになっちゃうよ… (というか、生きてすらいないのでは?)



…いや本当に、どなたか 『鎌倉の入江を見下ろす丘』 の有力な情報をお持ちではないでしょうか?

 情報をいただければ、出向きますよ自分。(泣





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