■ 野比海岸
神奈川県 横須賀市 野比
【最寄】 京急 『 YRP野比 』
撮影 2006/02/05 ・ 2007/03/14
















(以下は、ヨコハマ名所の多い「野比海岸」一帯を、2007年3月に一通り歩いたときの小旅行記です。 他の名所紹介とかぶる部分も多いと思いますが、こちらが元祖(笑)なので、記念の意味も兼ねて残しています)



 『野比海岸』 は、久里浜にある 横須賀 火力発電所 の西にのびる砂浜です。


 この付近は夕凪の時代になると、子海石先生『診療所』(および自宅?)が建ったり、三浦でほとんど唯一の 砂浜 を有する浜辺となり、作中でも度々描写されます。


 そんな野比海岸を、陽気にさそわれて、先日 ひととおり歩いてきました。


 京急久里浜 をスタート地点に、『開国橋』『ペリー上陸記念碑』『東京湾フェリー発着所』『横須賀 火力発電所』 を見つつ、京急YRP野比 までの約6キロ、2時間半の旅でした。



 今回は、作中の舞台となった場面を中心に、僕の旅の小さな思い出も(強制的に)まじえつつ、ご紹介しようと思います。

 なお、紹介順は基本的に 「久里浜方面 ⇒ 野比方面」 です。



 左の写真は順に、

  『開国橋付近の浜』(2枚)
  『ペリー上陸記念碑』
  『東京湾フェリー発着所』
  『横須賀 火力発電所』(2枚)
  『トンネル』(発電所と海岸の間)

 となっております。










 久里浜からのトンネルを抜けてゆるーい坂を下っていくと、やがて前方に見えてくる海… ここから、『野比海岸』 が始まります。


 この、初めて海岸に接するカーブの内側の小さな丘に、『子海石診療所』(そしておそらく、若かりし日の子海石先生の自宅)が建設されると言われています。

 そこから下りてきてすぐの、このカーブの外側に 『ORANGE FOOT』 というお店(コンビニ?)があり、若い頃のおじさん子海石先生が、『渋滞道路』を見に行くための待ち合わせ場所として使用したこともあります。



 ただ、ちょっと納得できないのが…

 「ORANGE FOOT」のすぐ先には 『横須賀 火力発電所』 があるはずなのに、それらしい描写(跡地など)が漫画内に一切無い点です。

 若い頃のおじさんが待ち合わせ場所にやって来たシーンの、背景の山の形もずいぶん違いますし、この小さな丘の上には2巻112ページ下のコマのような「道路」が無いのです。

 もしかしたら、モデルになった場所はココではないのかもしれません…

(…あ、でも、ポストカード内の地図を見てみると、「横須賀 火力発電所」のあたりだけ陥没したように無くなって今の地形になったように見えますね…
 うーん… やっぱりココでいいのかな?)




 とはいえ、逆に「やっぱりモデルとなったのはココ」だとすれば、

『三浦半島先端の見え方』
『近場から、古くなった水上艇を太平洋まで走らせたエピソードと合致する』
『海よりグンと高い今の湾岸道路は、将来「砂浜」の土台になるのに適している』
『近くにある「久里浜病院」が、診療所との関連を想起させる』


などなど、整合性を満たす条件が多いことも事実です。


「わからないこと わかる時まではこの答えにしておきます」 (にげたにげた












 こちらでは、海岸付近の眺めをピックアップしてみました。








房総半島 も、よく見えます。


ちょっと、今まで歩いてきた方向を振り返ったりも…






 かつて、ロボット開発の一環として、船橋へ航行した水上艇ミサゴ

 そのミサゴと型は同じだが未使用だった機体を、アルファさんのリモートコントロールで太平洋の黒潮まで誘導しようと考えた子海石先生たち…

 久里浜と思しき場所から、剱崎(つるぎざき)洲崎(すのさき)の間へ、一直線に水上艇を走らせます。

 左の写真は、そんな剱崎洲崎野比海岸から眺め、1枚に収めたものです。
水平線近くは水蒸気で白っぽかったのですが、なんとか写ってくれました。


 ちなみに水上艇の発進場所ですが、横須賀 火力発電所あたりではないかと思います。 もちろん、発電所近辺は夕凪の時代に水没しているので、その北にある、もう少し標高の高いあたりからだとは思われますが…






 これは、近くの高台から撮影した 剱崎洲崎 です。


 視点がやや高いので、距離による両者の縦位置のズレがありますが…








 途中に、京急バスのUターン場所があったので、こっそり入ってみました。

 奥に進むと、小さなアスファルト道路に寝転ぶ、ちょっと老いた白猫の姿が。
あたたかい日差しの中でそれは気持ち良さそうに寝たままノビをしていました。

 のどをなでると、うつろな目つきで 「にゃ〜にゃ〜…」 言ってました。






 海岸の1ヵ所に、砂浜を整備・補強するためでしょうか…? 大量の砂が積んであるのを見つけました。


 国内の用水路の整備などで、海に土砂が流れ込む機会が減り、各地で砂浜が消滅しつつあると聞きます。 複雑な気分です。

 夕凪の時代に、ロボットのムスメさんたちが砂浜を満喫できるよう、僕らも何らかの対策を施していきたいものですね。














 YRP野比 が近くなった頃、海に面した公園にたどり着きました。

 中央には大きなコンクリの石段があり、一部は海中に没しています。
 海面上昇の魔の手はすでにここまで伸びてきているのです… て、すみませんウソです。

 これは単に、海の中まで直結している石段ですね。



 付近にいたハトたちは、人間からエサをもらうのに慣れているらしく、僕がベンチに腰かけるとスススーと包囲網をちぢめてきました。 僕の目の前50センチにある縁石に乗って、羽の手入れをしている大胆なハトもいました。



 公園のそばには、見晴らしの良い場所を奪い合うかのように、ギュウギュウ詰めに家が立ち並びます。






 最後になりましたが、アクセス方法を…


 この野比海岸の中央にある 『国立療養所 久里浜病院』 のあたりは、ものすごくバスが少なく、その意味で実に不便な場所です。

 京急久里浜 からだと、せいぜい1時間に1〜2本しかありません…

(これは結局、家族の運転する自家用車による、患者さんの送迎がメインだから… という事なのだと思います。
 僕は、現地に行くまで、「広い敷地を持つ大病院」 だとばかり思っていたのですが、どうもサナトリウムや介護施設のようなものらしいです。
 当日も、見ているかぎり、付近の車の往来は実におとなしいものでした。)




 今回僕が最初から徒歩オンリーで巡ったのも、そういう交通事情が1つにはあったのです。

 ですから皆さんも、最初からバスには期待せず、徒歩オンリーで計画を立てられてはいかがでしょう? 



 近辺に店もトイレもほぼ皆無なので、気軽には訪れにくいですが…
海と道路と砂浜が飾り気なく延々と続くさまは、実に味があります。

 平日だったためか車も少なく、静かで雰囲気がありました。


 野比海岸だけを見るのであれば、『YRP野比』 からなら、海岸の端まで2キロちょっと… 往復4キロ半も歩けば見てまわれますので、こちらも検討してみてくださいね。





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