■ 猿島
神奈川県 横須賀市 猿島
【最寄】 京急 『 横須賀中央 』
撮影 2005/11/04 ・ 2007/12/18








 『北の町の公園』が描写されるとき、海の上にポツンと浮かんでいる小島…

それが 猿島 です。



 ヨコスカの海上1キロちょっとに位置する、長さ400メートル程度のこの小島は、かつては諸外国の侵略から東京湾を守った要塞島でした。

 今は、その施設跡だけが眠る、観光名所となっています。


 アクセスですが、まずは 京急『横須賀中央』 を下車し、北東1キロ弱にある 『三笠公園』 まで歩きます。

 公園のすぐ南にある小さな発着所から、観光艇 『シーフレンド』 に乗船し、あとは猿島まで一直線です。

 振り返ると、ヨコスカの街や、戦艦三笠が遠くなっていく…


 船の発着時刻・料金などの詳細は、こちら『株式会社トライアングル』 の本社サイトでご確認ください。

 注意点は、冬場(12月〜2月)の営業。 平日は船が出ていないのです。

(それにしても、猿島は横須賀市の土地のはずなのに、どうして株式会社… つまり民間企業が島への航路を独占しているんでしょう? 業務委託?)












 桟橋から島に入ると、西側に半円の砂浜が広がります。


 砂浜としては悪くないのですが、前方に見えるのは横須賀の街並だけなので、非常に狭苦しい…


 一方で、他では見れない光景に、実に不思議な気持ちになります。








 に向かうと、入口付近にきれいな公衆トイレと、自販機があります。

 島内のトイレはここだけですから、ご注意を。

 もっとも島自体が小さいので、さほど不便は感じません。



 土日には売店も営業するそうですが、僕が行ったのは金曜日だったので閉まっていました。

 なので乗船前に、ちょっとした食べ物を付近で購入しておくと良いと思います。

 もちろん、ゴミは持ち帰ってくださいね。










 島内のルートは、大ざっぱに、縦に長ーい楕円です。

 右回りか左回り1回で、ほぼ全てを見てまわれます。

 今回は、反時計回りで紹介しましょう。



 まず、売店を越えてすぐ、北の斜面を登っていく坂道に入りましょう。

 三浦半島の他の山や公園に比べれば、はるかに通路の整備が行き届いているので、移動は楽々です。

 反面、「離れ小島にいるのだ」というサバイバル感は弱いですが。



 5分ほども歩いたところで、この島の一番高い芝生広場に到着です。

 第二次世界大戦時には観測所であったというコンクリの建物からは、付近の海や、視界が良ければヨコハマが見渡せます。

 階段や手すりの金属が細いので、ちょっと注意です。














 の坂道を下りきると、Uターンするように分岐した道の先にトンネルがありますが、ここは後で通るので無視します。


 ゆっくり左へカーブしつつ、2つの『砲台跡』(円形のコンクリです)を過ぎると、右折できる下り坂が…

 この先には、木のベンチが置かれた芝生広場と、海岸があります。



 海岸は石ばかりですが、水の透明度はなかなかのものです。
さすがに三浦ほどは美しくありませんが…

 どこからか流れ着いたゴミが岸に打ち上げられているのも興ざめです。

 それでも、島の東岸の岸壁のカーブは力強いです。
南には、観音崎へと続く海岸線が見えます。


 さらにここからは、東京湾一帯も見渡せます。



 房総半島 の手前の、小さく平べったい小島が見えるでしょうか?

 あれは、『第2海堡』
東京湾を外敵から守るために造られた要塞島でした。

 …が、関東大震災で破壊されてしまったそうです。


 離れている上に平べったい島なので小さく見えますが、全長だけなら、今いる猿島に匹敵します。










 一度「砲台跡」まで戻り、もう少し北西に歩きます。 左に 『要塞切り通し』 につながるトンネルがありますが、ここは後回しにしましょう。


 やがて 『日蓮洞窟』 に続く急な階段があるので、ここを下ります。

 海辺のこの洞窟は、江ノ島「岩屋」まで続いているという伝説があります。

 もし本当なら、直線コースでも20キロ。 アヤセ が挑んだ 『大トンネル』 のような蛍光灯や休憩所も無いはずなので、道中の困難は想像を絶しますね。


 実際には、ちょっと入った所で大半が土に埋もれてしまっているので、危なくて進む気にもなれない洞窟です。
















 ここからはUターンして、島の入口に戻る感じになります。

 先ほど後回しにしたトンネルをくぐって、『要塞切り通し』へ…



 ここは、かつて猿島が要塞として機能していたころの、弾薬庫や兵舎の跡が並ぶ場所です。

 入ってすぐに、へと道が分岐し、その先にトンネルがあるのでくぐってみましょう。 出てみると、ここが「展望台の下り坂」のそばの、分岐した道の先にあったトンネルであったことに気がつくでしょう。


 「要塞切り通し」内の分岐まで戻り、さらに(南西)に向かって暗いトンネルを歩きます。 実はこのとき、先ほどの「展望台」の下をくぐっています。


 トンネルを抜け、頭上からふりそそぐ木もれ日の中を歩いていくと、やがてゆるやかに坂道を下り、自販機のある場所まで戻ってきていることでしょう。



 おつかれさまでした。

 帰りの船は1時間に1本なので、砂浜に寝転んでゆっくり待ちましょう。






 なお、人によっては、「このすてきな島で一泊したい!」 というお気持ちもあるでしょうし、僕もできればやってみたいのですが…

 それをしてしまうと 罰せられる ようです。


 「こっそり島内に隠れて、一夜を明かせば…」とも考えてしまいがちですが、乗船者の乗り降りの数がカウントされているので、バレバレです。

 関係者に迷惑がかかるだけですので、あきらめましょう(苦笑)



 逆に「本当にウッカリ最終便に乗り遅れてしまった」場合は、トイレのそばにある緊急灯を作動させれば、発着所からそれを目視して迎えにきてくれるようです。

 あくまで最終手段ですが…



 夕凪の時代に入り、海面が上昇したら、島の北東部の芝生あたりが船を着けるのに良さそうですね。







 ちなみにこれは、南の 走水 の丘から後日撮影した猿島です。

 背景に広がる 横須賀 の町並とあいまって、何とも不思議な光景です。





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