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芦奈野先生はよく、コマの中の一見何気なさそうな所に、その場所を確定するためのヒントを仕込んでくれるお方です。
今回の場所(6巻・148ページ)も、コマを一見すると、ただの海辺のやや広い砂浜(草まじり)なのですが… お気づきでしょうか? 彼方の海岸に、ちょっと不思議な形状の建造物が見えますね。
自分、こういう建物に記憶が無かったので、まずは地形からモデルになった場所の当たりをつけることにしました。
海岸が90度近く湾曲しているので、これは三浦半島西海岸から鎌倉などにかけてか、江ノ島以西に違いない。 あの辺りでは、こういった砂よけの竹細工もいたる所で見られるしな、うんうん。
…と、つい昨日までの約半年間、ずっとそう思っていたのです。
ところが、2007年11月のある日…
別件で野比海岸の写真を調査していたところ、ふと写真の端に、不思議な形状の建物を見つけました…
ん? これって… あれあれ?? …えぇぇえええっっ!!!!
そう、それはここ半年間、頭のすみにチラチラと気になり続けていた、あの建物だったのです。 場所はどうも、津久井浜 〜 三浦海岸の海辺らしい。
あわてて野比海岸付近の写真と、電子地図をもう一度確認してみると…
たしかに、野比海岸から三浦海岸にかけては、ゆるやかに海岸線がカーブしています。 見方とデフォルメによっては、このコマのような構図もアリでしょう。
うむー、迂闊でした。 子海石先生といえば、野比海岸。
それは分かっていたのですが、先述の構図のデフォルメと、「多分、江ノ島の向こうだよ」という先入観で、完全に見落としていました。
うれしさ半分、反省半分。 まだまだよの、自分…
長い前置きで、ごめんなさい。
この建物は、どうも、京急『津久井浜』から海に出て、北東に200メートル行った所にある『ライオンズタワー三浦マリンステージ』のようです。
確定ではないので、また近々、自分の目で確認してきますね。
左上の写真は、建物が写っていることに最初に気がついた写真で、2007年3月に撮影したものです。 京急『YRP野比』から一番近い海岸にある、小さな海浜公園からの眺めです。 ショベルカーの関節の彼方に見えている建物がそれです。
左中央は、同じ公園の、もう少し北東から見た風景。
写真中央の左に、建物が小さく写ってますね。
そして左下の写真は、国立療養所久里浜病院(かつて、子海石先生の診療所ぽいと言われた建物が建っていたところ)の近くの、道路から海岸に下りていく小さな階段… そのてっぺんから撮ったものです。
左上のほうに、ニュッと頭を出しているのが件の建物です。
海岸に下りれば、より漫画内の構図に近くなるんだろうなぁ…
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