■ 彼方の塔
 (ホテルエンパイア・横浜薬科大学)
神奈川県 横浜市 戸塚区 俣野 601
【最寄】 不明
撮影 2007/07/24




 8巻・第67話の扉絵、地平の彼方に、不思議な形の建物 が描かれていることにお気づきの方も多いのではないでしょうか?

 この建物はおそらく、8巻P144・上のコマ に出てくる 遠方の建物 と、同じ物と思われます。



 建設場所は、話の流れから、大ざっぱに「うなぎや 海老名店」から「厚木空港」の間… 近辺が広範囲に平地になっている場所のようです。

 建物は、てっぺんだけが編み笠をかぶったようにフチが少しはみ出ています。

 五重の塔を思わせるところがありますが、近くの建物と比較してもなかなか大きく、近代の技術で造られたものの可能性が高そうです。



 こんな露骨に不思議な形をした建物なら、ネットの画像検索などで簡単に見つかるだろう… ぐらいに軽く考えていたのですが、これがなかなか難敵で…(泣)

 京急 から離れている 神奈川県中部 には、全く疎い自分なので、まぁ機会があればおいおい… ぐらいに考えて後回しにしていたのです。


 そう、あの日までは。















 僕が以前、「アルファさんたちが鎌倉花火を見た丘」を探し回っていたのを憶えておいでの方もいらっしゃると思いますが…

 その1つである、鎌倉逗子ハイランド の近くの 『展望広場』 から帰ってきてしばらくした頃に、事件は起きました。


 今まで撮影してきた写真を何気なく見返していたところ、先述の「展望広場」で撮った写真に ヘンテコな建物 が写っていたのです。


 その特徴的な形を見たときに、自分の中で、「あれ? なんか以前もこんな形の建物を見た気がする…」と感じたのですが…

 直後に、67話の扉絵 が脳の中ではじけました。

 あわててコミックスで確認してみると、たしかに似ています


 この写真は、彼方の山の緑が美しかったので撮影したものなのですが、まさかこんな偶然から、ヨコハマ名所の1つを発見してしまうとは!



 『やはり神はいるのだ…』

 自分は、神に深く感謝の祈りを捧げた次第です。 実家は仏教ですが。






 ここまでを読んで、

「ヨコハマ名所を発見した!」 と狂喜している割に、どうしてこのページは、対象が未発見の 『探す』カテゴリ に収められてるの…?

…と、賢明な貴方はお気づきになったかもしれません。



 おっしゃる通りで、実はこの建物、完全に確定したわけではないのです。

 つまり自分は、まだこの建物の 正体が分からない のです。



 分かっているのは、展望広場から見たとき 北北西にあるらしい という事…

 なにげなく撮影したものなので、方向が明確ではないのです。



 もう1つは、展望広場から「丘3つほど」離れているらしいという事。

 これは、写真に写っているそれぞれの丘が、遠くなるほど白くなっている(霞んでいる)のを利用しての推測なのですが、手前から3つ目の丘の霞みぐあいと、建物の霞みぐあいがよく似ていると思うのです。

 地図で確認してみると、展望広場から北北西にある丘(標高の高いところ)のうち、3つ目のものまでの距離は、4〜5キロです。

 これはイコール、「不思議な建物までの距離もまた、展望広場から4〜5キロ」ということではないでしょうか?



 …と、ここまで考えたとき、以下の疑問 が湧いてきます。


「推測される建物の位置が、遠方の景色とはいえ、
 アルファさんの旅のルートから離れすぎていないか?」


 という疑問です。



 僕自身もここは、推測の修正の余地ありと見ています。

 方角か距離のいずれかに、間違いがあるのでしょう。



 いつか建物の場所を特定して、そこから逆算できる 「アルファさんが歩いていた場所」 (おそらく、西から東に向かって歩いていた) から、この不思議な建物を拝んでみたいものです。

 続報を気長にお待ちくださいね。








 このページの、ここから上をアップした直後、常連のちーそんさんから凄い情報が送られてきました。


 その情報とは、なんと この建物の正体 について。

 その正体は、横浜薬科大学 の敷地内にある 図書館 なのだそうです!


 かつては、『ホテルエンパイア』 として営業してきた建物が、経営悪化で1995年に閉鎖… それを2006年に同校が買い取って、図書館としたのだとか。



 で、肝心の建物の場所を調べてみたところ…

 「横浜薬科大学」キャンパス は、写真を撮影した 展望広場 から見ると、北西へ11キロ弱に位置しており、建物自体の高さは68メートルだそうです。

 方向はほぼドンピシャで、肉眼では気づきにくく、写真を拡大してようやくハッキリする距離とサイズから見ても、これはもう確定でしょう!


 ありがとうございます、ちーそんさん!



 実は、元々このページを書いた理由が、ちーそんさんの 「8巻・P144 の彼方に見えている建物に心当たりがあるんですよ」 という一言がキッカケでした。

 その話を聞いた僕が、「そういえば、この建物… 僕も写真に撮っているかもしれないんです」 と、以前から気になっていた写真と、それに関する自分なりの推察をまとめた… というのが、いきさつでした。



 三浦半島 を地元とし、近辺の情報も豊富に持つちーそんさんと、

 地元ではないけど写真だけは豊富な僕(笑)による、

 見事なコンビネーションによる勝利の瞬間でした。



 それにしても、偶然とはいえ、11キロも離れた建物が撮影できていたとは…
当日の空気の透明度の高さに感謝するばかりです。


 先述のとおり、せいぜい4〜5キロ先の建物とばかり思っていたので (したがって建物の高さも、せいぜい20メートル程度と考えていた)、実は近いうちに 『北鎌倉の今泉台5丁目にある「配水塔」のようなもの』 を見に行くつもりでいました。

 ただ、Google Earth で見つけたその建物は、建物の影から推測される高さが どう見ても「民家」程度しか無いので、「これはまあ、ハズレだろうな…」 とは思っていたのですが…



 後日、この図書館を間近から撮影せねば!

 あと、できれば、「アルファさん視点」からの写真も手に入れたいものです。

 8巻・P144 の描かれ方からして、多分、建物から 西〜北 の方角の、10キロ以内ぐらい から見た風景だと思われます。

 もっとも現代では、付近の建物がジャマして、これだけクリアには目視できないと思いますが…(苦笑)



(アルファさんが、日野から三浦へと向かっていたことと、「南へ向かう直線の道」 という彼女のセリフから、歩いていたのは国道467号線(藤沢街道) で…

 距離的に、「新幹線の線路 (高架ではなく半地下になっている) を越えたあたり」 からの景色ではないかと考えています。

 これだと、ホテルエンパイアからの距離は6キロで、ホテルからの方角は北北西… 漫画内の風景とも、よく合致しているように思うのです。


 ただ、残念ながらこのあたりは平地ばかりなので、漫画内の風景のような「鳥瞰視点」が得づらく、ホテルエンパイアは ほぼ目視できません

 強いて言えば、国道467号線ぞいのマンションの5〜6階あたりから眺めれば、漫画内のような風景を見ることも可能だと思います。)






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