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■ 谷の道 (道志みち) |
神奈川県・山梨県 | |
【最寄】 不明 | |
撮影 2014/09/15 |
第71話 『谷の道』 でアルファさんが、「公園の街路灯のような植物」 を見るために立ち寄った場所… 国道16号線 を北上しつつ、八王子 までは行かず、谷に入り、富士山 への近道でもある道路といえば… 国道413号線 (道志みち) をおいて他にないでしょう。 実際、道中の提灯の表面には、まばゆい光の中に かろうじて、「道志みち」 という表記が読みとれます。 国道413号線と ハッキリ正体が割れている のだから、あとは漫画内のコマと同じような風景画像さえ入手できれば、簡単に紹介ページが作れるなw と考えた僕は、早速 意気込んで制作に取りかかったのですが… これが実は、予想外に難敵だったのです。 |
「道志みち」 こと国道413号線は、神奈川県の相模原市と、山梨県の富士吉田市 (山中湖のあたり)を結ぶ道路で、途中、山あいのクネクネ道を、約50キロ 走るかたちになります。 つまり、この50キロの中から、漫画内と同様の風景を探し出せばよい わけです。 といっても、直接 自動車で行くと大ごとになりますから、 ネットで 「Google ストリートビュー」 にアクセスし、これで疑似ドライブを楽しみながら、ヨコハマ風景を採取しに行くことと致しましょう。 るんるん♪ JR 『橋本』 駅 のすぐ西から、ドライブスタートです! …で、2時間後。 ドライブ終了… あれれ・・・? 漫画内と同様の風景なんか、無かったんですけど…??? たしかに国道413号線は、両側を山や丘にはさまれた道だったのですが… その両サイドの山々が、漫画内のようにググッとせまっておらず、結構 距離が開いてしまっていたのです。 漫画の風景では、アルファさんの視線の先にあった両側の山々は、互いが中腹あたりで すでに重なってしまっているほど近くにあったのに、 僕が見てきた、現在の「道志みち」の谷の風景は、ほとんどがV字型… 山同士はせいぜい、道が曲がっている場所で、遠目に「最下部だけが重なっている」程度でしかありませんでした。 そして、もう1点気になったのは、 この道は先述のとおり クネクネした箇所が多いので、 僕が見てきたかぎり、アルファさんが眺めていた風景のような、「長い直線を一望できる場所」 が存在しなかった のです。 ここは本当にモデルになった道なのか…?? |
ちなみに、このページをアップしてから、疑問に感じてネットで色々と情報をさぐり、その話を総合してみたところ… どうも 「道志みち」 は、 1990年代ごろに、大きめの改修があった ようなのです。 「昔はもっと、狭くてヒドい道だった…」 「昔はこんなに車の行き来は無かったのに…」 そんな、当時を知る方々(ドライバーや自転車乗り)の感想が、ネットに散見されました。 そこから考えると、ヨコハマの漫画内で描かれている 「道志みち」 は、改修される前の… つまり、今となってはもう二度と目にすることの叶わない、『 失われた風景 』 だったのではないでしょうか? 「ストリートビュー」 はたしかに便利ですが、あくまで車載カメラであり、タイムマシンではありません。 残念ながら、「漫画内とまったく同じ風景」 を探すのは、一旦あきらめざるを得ないようです。 もちろん、完全に道が絶たれたわけではありません。 当時の現地の風景写真を撮っておられた方が、ネットにそれをアップしてくださるのを期待しつつ、「かつて + 道志みち」、「以前の + 道志みち」 などの検索単語を使い、ひまひまに過去の風景を追いつづけようと思っています。 それにしても、『夕凪の時代』 の到来を待たずに、こうして1つ1つ 「かつての風景」 が消えていく現実には、それが自然の流れとはいえ、なんとも言えない切なさがありますね… たとえそれが、「地元ではない第三者の感傷」 と言われても、そう思わざるを得ない自分がいるのです。 |