『初瀬野先生』… 「ヨコハマ〜」読者なら知らぬ者はいない、 アルファさんのオーナーです。 アルファさんが人間的な生活を学習していく過程で 大きな役割を担ったと思しき過去… 謎の生命を追い続けるアヤセとの面識があり、 その際の利便性をはかれるほどの 社会的地位や信頼性を垣間見せるこの人物は、 物語の中核的存在でありながら、 ついにその姿を読者の前に出さぬまま幕を閉じた、 稀有な存在です。 『その姿を 読者の前に出さぬまま』…? …本当にそうでしょうか? 一見あっさりと描かれている「ヨコハマ〜」は、 例えば アルファ・シリーズの謎 に見られるように、 直接の解説がなされていなくても、隅々まで味わうことで 実は作者さんから結構な量の情報提供を受けていたことに 後になって気づかされる場合が多々ある漫画です。 実は僕たちは、芦奈野先生にまんまとかつがれていた… よくよく読み返してみれば、 こんなに呆気なく初瀬野先生の素顔が描かれていた… そうでないと、誰が断言できましょう。 そこに考え至った僕は、 以下の点に考慮しつつ、 改めて全14巻の登場人物全員を検証してみました。 ・初瀬野先生自身はある程度の年齢を経ていると考えられるため、 推定年齢30歳以上の人物に限る。 ただし、男女は問わない。 ・アルファさん自身はオーナーの顔を知っているので、 彼女が直接会った人物は全員除外。 ・アヤセも面識があるので、同様に、彼と直接会った人物は除外。 ・第0話で、先生がアルファさんに直筆のメモを残した事から、 ターポンの搭乗者も除外。 当作が、アルファさんの生活を基盤に物語が進むため、 あれだけ登場人物がいながら、 すごい勢いで該当者が減っていき… 途中で不安になったりしました。 登場回数の頻度から、ココネのみが会っている人物に 該当者が多そうな気がしますが… アルファさんがムサシノの国に泊まりに出かけた際に、 結構ココネ関連の人物(大家さん・辻の茶の店員)に 会ってしまっているので、さらに数が減ってしまったりも… …しかし終わってみれば、 そこには 5人 の該当者が残っていたのです。 アルファさんに会わぬまま、 初瀬野先生はどのような日々を 過ごしていたのでしょうか? そして、本当にアルファさんとは会っていなかったのでしょうか? その全てが明かされる日が、ついに来たのです。 ご覧下さい、「ヨコハマ〜」屈指の謎が解明される瞬間。 あなたは今宵、歴史の証人となるっ。 |
★以上、期待してお読みになったあなた、すみませんでした。(笑) 最初は本気で初瀬野先生探しをしていたのですが、どうしても見つからなくて、 その際に集めたデータを何とか利用できないか? と思って、ひらめいたのが この企画だったのです。 バカバカしい考察も、突き詰めると1つのコンテンツになったりするあたり 人生は本当に面白いですね(笑) 昔からのコアなファンの皆さんにも、笑って読み流していただければ幸いです。 それでは〜。 2007/06/15 |
★後日、R.一郎さんからご指摘がありました。 『第48話の、外灯の下の船で飲み会をしていた2人は入らないのですか?』、と… うわー! 言われてみればそうだぁぁ! なんでコレを抜かしちゃったかな自分?? たしか、「地元方言が強く、113話の標準語を話している初瀬野先生と矛盾する」といった理由で保留にしたか、ギャグに組み込めないので別の機会にと保留にしたかで、そのまま失念してしまった… だったように記憶しているのですが、我ながらこれはショックでした。 取り急ぎ、ここにお詫びいたします。 しかし、こうして見ると、ある意味最も初瀬野先生の可能性が高いのは、この船上の2人と言えますね。 2007/10/26 |
2009年7月。 mixi の「ヨコハマ」コミュで、 おもしろい方向から初瀬野オーナーの話題が浮上しました。 3巻・100ページにある「INTER MISSION」のイラストは、 実は『初瀬野先生とアルファさん』なのではないか?というのです。 これに気がつかれたのは、斎藤”ayata”帰蝶さん。 僕自身は、芦奈野先生が「若夫婦かなにか」を描いたイラストだと 勝手に合点していたのですが、たしかに 『初瀬野先生とアルファさんの関係を描いた、 ヨコハマの前身となるイメージイラスト』 とも考えられます。 だとすると、公式にして唯一の、 初瀬野先生の素顔を描いたイラストといえるかも? 連載が終わって数年… 最近になって、作品の噂を聞いた新規ファンが また少しずつ増えるなどして、 どんどんと、新しい、ハッとするような切り口の見方が 生まれてきた感があります。 謎に包まれた良作の世界は、 読み手の新鮮な考察の目が入りつづけてこそ広がるもの。 今のこうした流れはとても良いことだと、 僕も1ファンとしてしみじみ嬉しくなります。 などと、本腰入れてからまだせいぜい5年の僕が 偉そうに言うのもアレですが(笑) 浜の真砂(まさご)は尽きるとも、世にヨコハマの謎は尽きまじ、です。 2009/07/10 |