■ 江の島
神奈川県 藤沢市 江の島
【最寄】 小田急 『 片瀬江ノ島 』
撮影 2007/03/01 ・ 2010/06/07








 物語において、アルファさんが直接訪れることは無いですが、風景としてたびたび登場する 江の島

 今日は、湘南の名所の1つとしても名高いこの島を、ご紹介しましょう。


 夕凪時代には離れ小島に戻ってしまう「江の島」ですが、今ならまだ徒歩で渡れますので、皆さんもいかがでしょう?


 とりあえず今日は、そんな江の島の オススメの1周コース を、「江の島マスター」であるこの私サマが、貴様らに伝授してやろうぞ かんらかんら。
(まだ3回しか行ったこと無いけど)



 まずは最寄駅の、小田急『片瀬江ノ島』 か、江ノ電『江ノ島』 を目指しましょう。


 小田急沿線の方は、もちろん小田急で…

 JRの方は、藤沢鎌倉 から、江ノ電に乗って… という感じでしょうか?

 JR『大船』 から 湘南モノレール を使うのも面白いですね。



 ちなみに、池袋住まいの僕は、新宿から小田急を使っています。



 小田急で来た方は、ぜひ、駅舎のケバケバしさ も堪能しましょう。

 また、江ノ電に乗って他にも見てまわりたい場所がある方は、こちらの「江ノ電
オフィシャルページ」
で、1日乗り放題きっぷを検討してみてはいかがでしょう?

 小田急・江ノ電・湘南モノレール、いずれの場合も、駅を出てから南の海岸を目指せば、すぐに島が目視できるようになるはずです。










 島へは『江ノ島大橋』(江ノ島弁天橋)を渡って入ります。

 直前の湾岸道路の交差点は、地下道をくぐると便利です。



 橋は、約700メートルと、ちょっと長さがあります。

 天気が良ければ、西に 富士山 を拝める場合も…
三浦よりもさらに近い分、ひとまわり大きな姿を楽しめます。



 ちなみに、この橋の高さは、水面からせいぜい5メートルしかありません…

 これでは、夕凪の時代の海面上昇ではひとたまりもありませんね。














 入口の「薄緑の鳥居」をくぐって、土産物通りを南へ直進すると、やがて赤い鳥居が見えてきます。



 ここからの選択肢は3つ。

 正面の 『瑞心門』 の石段を登っていくか…

 左の 『江ノ島エスカー』(途中に徒歩を含むエスカレーター) で、てっぺんまで運んでもらうか…

 右の 『裏参道』(東参道) を使うか… です。



 ココはだまされたと思って、『裏参道』(右折)を進んでください。
この道は、3つのコースの中で最もひなびた、手が加えられていない道なのです。

 生い茂る木々の間から見える湘南の街、眼下に広がる海、そして彼方には 富士山 が…

 人の少なさもうれしい道です。


 最後に民家のような場所に行き着いてしまいますが、その脇に細いながらもちゃんと道が続いていますので、臆せず進みましょう。












 やがて、土産物屋が並ぶ、石畳のT字路に出ます。 ここは右折しましょう。


 ちょっと石段を登ってさらに進むと、『奥津宮』 に到着します。

 力石 など、色々と見所の多い場所で、そばにトイレもありますので、ちょっとゆっくりしていきましょう。



 そして、ここに来るまでにすでに気づかれたかもしれませんが…
この島にはけっこう 捨て猫 がいます。

 日当たりのいい場所に腰をすえて、観光客が来るとおねだりをします。
食べ物をあげる人が多いのか、栄養満点に育った大きな猫が多いですね。

 これ以上 食べ物をあげてしまうと、愛らしい猫たちが肥満に苦しむことにもなりかねませんので、代わりといっては何ですが、優しくなでてあげてくださいね。

 愛を押し売りせず、敬意を払って…

 なでているうちに、ゴロリと寝転んで平気でお腹を見せてくれるようになれば、貴方に対して心を開いてくれた証拠です。














 少し奥に進み、龍の像が飾ってある社 の反対側にある坂を登ってみましょう。

 『見晴し台』 があり、太平洋が見渡せます…
が、本当に水面だけなので、風景としては単調です。

 見晴し台の材木に、やたらとカップルの落書きが多いことにお気づきかと思いますが、理由は直後に分かります。



 さて、さらに坂を登ると、『龍恋の鐘』 に到着です。

 周りの金網にジャラジャラ垂れ下がったカギ… 総数は万にのぼるでしょうか?

 ここは、2人の恋がこのカギのように永遠に外れないようにとの願いを託す場なのです。 先ほどの「奥津宮」にも、ピンク色の絵馬が大量に下げられた場所があったことにお気づきの方もいらっしゃるでしょう。 そして、途中の道の金網にも、所々にこんなカギがぶら下がっていたことを思い出した方もあるのでは?

 恋はすばらしいものですが、これらのカギや、絵馬に書かれた「恋の誓い」にジックリ目を通していると、人間の下半身という物は、時にこんなにも奇態な行動を取らせるものなのか… と感嘆したり大笑いしたり。

 恋のスタートラインに興奮して脳がゆだってしまった様や、なんとか異性をホテルに引っ張り込もうという死に物狂いさなどが文面からにじみ出ていて、苦笑せざるを得ません(笑)

 さらに、性欲の勢い余って理性の抑制が効かなくなった一部の阿呆は、異性の前でオリジナリティを発揮せんと無様に興奮し、所かまわずの落書きや、指定箇所以外でのカギの施錠をおこなって、地元の方々にメイワクをかけるのです。


 個人的な意見ですが、こんなイベントが無いと盛り上がれない上っ面の恋にしがみつく人々が、心底憐れでなりません。

 そして、旅先のこの程度のイベントで、簡単に理性のタガが外れてしまうような人間が、普段どれだけミジメな実生活を営んでいるのかを想像するにつけ、ちょっと「関わりたくない」思いを抱かざるを得ないのが正直なところです(笑)



 さて それでは、坂を下って 龍の像の社 の道まで戻りましょう。

 そうそう、林の奥の 『曾禰荒助子爵の石碑』 を見るのも忘れずに…






 ところで、木々の間を歩いていたら、遠くから犬の鳴き声が聞こえてきた…
という方はいらっしゃいませんか?

 それは、「鼻づまりをおこしたような変な犬の鳴き声」ではないでしょうか?


 実はそれは、犬ではありません。

 声のするほうをよーく見てみてください。

 枝や草がゆれていますね。 そこをジックリ観察しましょう。



 ほぉら。 正体は リス です。


 あんなに愛らしいリスですが、鳴き声は驚くほどヤボったいのです。

 三浦半島の山中でもよく見かけるリスですが、この島にもけっこうな数が元気に走り回っています。 脅かさないように、静かに見守ってあげてくださいね。














 「龍恋の鐘」の坂道を下りてきたら、次は左折して進みます。

 すぐに、海岸に下りる細長い石段になり、視界が開けます。

 天気が良ければ、前方の海の彼方に 富士山 を眺められることでしょう。



 石段を下りて、西海岸の岩場を歩いてみましょう。

 潮の干満や風の強さ(波の高さ)によって、けっこう海水をかぶりやすい地面なので、場所によってはヌルヌルに足を取られます。 ご用心を。



 しかし、海面近くから眺める湘南の砂浜の広がりや、富士山の独特の迫力には、また違った美しさがあります。

 近くの岩の上などに、トンビが一休みしていたりもするので、その愛らしさもご堪能ください。
























 通路に戻って さらに奥(南東)に進むと、すぐに 『江ノ島 岩屋』 の入口です。

 500円払って入ってみましょう。


 中には2つの洞窟があります。 まずは『第1岩屋』
入口でロウソクを借りて、進みましょう。


 中は、二股に分かれており、奥行きはせいぜい数10メートルです。

 明るい場所から一気に真っ暗な洞窟内に入るので、目が慣れるまでの数分間は特に周りに気をつけてください。

 頭上からは、時おり水が垂れてきます。 一応カバーがしてありますが、たまに隙間からポタリと来てビックリしますが、そこは岩屋の醍醐味ということで…(笑)


 見所は、古いお地蔵さんや、地下道を通って富士山から吹く(と言われている)風の出る穴… ぐらいでしょうか?

 どちらかというと、それよりも この洞穴の雰囲気 をこそ楽しむ場所のような気がするのです。


 一通り見終わったら、ロウソクを先ほどの係員に返して、外へ。

 しばらくは岩屋の入口から強烈にさしこむ太陽光に目がくらみがちですので、これまたご注意を。




 続いては『第2岩屋』ですが… その前に 『亀石』 を見ていきましょう。

 途中の橋に説明がありますが、波の中に現れては消える 「亀の形をした2メートルほどの岩」 を、貴方は見つけられるでしょうか?

 海面の高さ(干潮)によっては難しいかもしれません。
波で、海面がグッと下がる瞬間を、根気よく待ってみてください。




 さて、『第2岩屋』です。


 奥から何やら 重低音 が響いてくるのにお気づきでしょうか?

 実はこれ、内部に隠してあるスピーカーから、定期的にの音を響かせて、演出しているのです。

 初めてここの入口に立ったとき、「何事? 地震?」としばらく入るのをためらった僕です。(周りには自分しかいなくて、確認のしようもなかったのです)

 中は『第1岩屋』ほど深くなく、すぐに最深部の 龍の模型 に辿り着きます。

 付近には、色のついた石がライトアップされ、なかなかに幻想的です。


 注意点は「音」

 先ほどの雷の音源は、実はここにあり、30秒に1回ほどのペースでものすごい大音響の「落雷」が起こるのです。

 小さいお子さんはまずビックリ仰天するはずですので、子供連れで入られる方は、事前に説明しておいてあげると良いでしょう。

 もっとも、ただでさえ真っ暗な洞穴な上に、奥から ゴゴーン… と重低音が鳴り響いてくるので、たいていのお子さんはイヤがって中に入りたがらないかもしれませんが…(笑)



 ちなみに僕は、平日の午前中に行っているせいもあってか、いまだに この岩屋で他の観光客に会ったことが無い のです。

 人気無いのかな…













 さて、これで島の西半分はほぼ全て見終わりました。


 今まではどちらかと言えば自然物が中心でしたが、これ以降は建造物が中心になります。

 まずは、「細い石段」、「奥津宮」と戻って、裏参道から出てきた『土産物屋が並ぶ、石畳のT字路』まで戻ってください。

 そして、そのまま直進。 前方の林の上に見える 大展望台 を目指す感じで進みましょう。



 途中に 『山ふたつ』 と呼ばれる場所があります。
両側を切り立った崖にはさまれた、せまく深い谷です。

 ただ、たしかに迫力はありそうなのですが、安全のためか、見晴らし場からも角度的に見づらく印象に残りません。

 ここは、『大展望台』から見下ろしたほうが良いでしょう。



 お土産屋どおり「江ノ島大師」 を通りすぎると、江の島の最上部に到着です。

 この付近は、野外の食事処や、公園、「片野写真館」、そして 『大展望台』 を含む 『サムエル・コッキング苑』(植物園) からなる場所です。


 ちなみに、最初に見た「瑞心門」「江ノ島エスカー」を登ってくると、ここに辿り着きます。

 ただ、こういうハデハデで人工的な場所は、旅では後に回したほうが良いように思えたので…

 前半に、しっとりとした「島の西部」をまわるコースをオススメしました。














 植物園への入場料は、200円。
 展望台入場も含めれば、500円です。


 ここは迷わず、後者を購入します。



 園内の、ちょっと不思議な見慣れない植物たちを堪能し、北東の端の板敷きの見晴し台からの景色も味わったら…

 いよいよ 『大展望台』 に登りましょう。




















 この大展望台、階段でも上れますが…

それは帰りの楽しみにとっておき、まずは、レッツ エレベーター!(英語変)


 上昇中のエレベータからは、南の景色がグングン足下に離れていく大迫力の光景を楽しめます。 というか正直チト怖いぐらいです。

 この写真を撮影しに行った日も、関西から訪れたらしきカップルの女の子が
「怖! あたし反対側に行っとろ」と、窓の反対側に避難したほど。


 展望台はガラス張りで、360度に広がる大景観

 天候を気にすることなく、存分に景色をお楽しみください!



 …て、それでは物足りないですか?

 では先ほどのエレベータに戻り、すぐ右についているドアを開けて階段を登ってみましょう。
 そこには掛け値なしの、江の島 最高地点からの生の風景 が広がっています。


 見下ろせば、今まで見てきた島内のさまざまな地点がはるか足元に。

 先ほどの 『山ふたつ』 も、より急な(怖い)角度でお楽しみいただけます。



 周りに人工物が少なく、島自体も小さいので、本当に海上の空中に投げ出されたかのような錯覚すら覚えます。

 三浦半島も、霞みの向こうに ほんのりと浮かんでいます。


 西の彼方に どっしりと腰を下ろした 富士山 も、雄大です。










 帰りは、先ほどの階段で下りてみましょう。

 下から時おり吹き上げる強風が迫力です。 展望所からは見づらい足元の光景も楽しめますよ。


 この階段は、直接地面まで降りず、途中にちょっとした広場(建物の屋上)を経由します。 一休みするのも良いですね。



 ちなみに、この屋上から下りてくると、気づきにくいですが 資料館 への小さな扉があります。

 中には、新造される前の「大展望台」や、「江の島の歴史」についての写真資料
数10点が… ぜひ見物して、歴史にしみじみいたしましょう。










 さて、これで江の島の オススメ1周コース の紹介は終了です。


 あとは 「江ノ島エスカー」 そばの参道を下りつつ、島東部の ヨットハーバー を見下ろしたり、途中の 花畑神社 の美しさを楽しんで下さいね。



 また、江の島の たちを気に入ってくださった方は、帰り際に、一番入口に近い「お土産屋どおり」に置いてある 猫の避妊手術費用のための募金箱 に、いくらか入れていただけるとうれしいです。


 ちなみに猫の去勢・避妊手術は、病院にもよりますが、1匹あたり1〜3万円ほどかかります。

 「子供を生めなくなるなんて、かわいそう…」 という、一部の方のお気持ちも分かるのですが、去勢・避妊手術をすることで、

 「無計画な出産が無くなり、結果的に保健所に引き取られる猫が減る」

 「他の猫との、異性を奪い合うケンカをしなくなる」

 「術後の猫は、中性的な仔猫のような気持ちになり、
  人間にもなつきやすく、人間との関係が良好になりやすい」


などの利点があります。


 手のかからないペットのような存在として、周りと適度な距離を保つことが、最も「野良猫の生存確率」を上げるのであれば、『去勢・避妊』は、猫と… そして「猫を愛する我々自身」のためにも、真剣に検討すべき選択肢ではないでしょうか?




 以上、本日のお越し、まことにありがとうございました。

 またぜひこの島に遊びにいらっしゃって下さい。

 いや、僕も「いらっしゃる」側なんですが、一度こんなセリフも言ってみたかったので… 海面上昇が始まるまでは、まだまだ歩いて渡れます。 お気軽にどうぞ。






 ちなみに僕は、今回の写真の撮影のために、平日の朝一に池袋を出発しました。(「片瀬江ノ島」駅には、朝6時半すぎ到着)

 島に入ってみると、地元の方と わずかな釣り客以外は誰もいない、ほとんど貸し切り状態…

 もちろん、『岩屋』などの施設は午前9時にならないと開きませんが、猫やリス、トンビを、眺めたりなでたりしているだけで満足! という僕のような方なら、きっと十分に楽しめるはず。

 もちろん午前9時をすぎれば、普通の観光地としても楽しめますし。


 ということで、皆さんにも朝早くからの来島をオススメします。

(いや、夕方は夕方で、夕景がとても美しいのですが… どうしても人が多くなってしまい、情緒の面で魅力が下がってしまうのです)



 今回は、こんなにも長大な紹介文に最後までお付き合いくださり、ありがとうございました〜。





















 2010年6月。 老いた両親と、夜7時ごろの江の島を1周してきました。


 「展望台は夜8時までやっている」という情報を聞いて来てみたのですが、エスカーがすでに止まっている…

 イヤな予感を抱えて展望塔に行ってみると、ここもすでにクローズ。

 平日(月曜日でした)は、夜6時までなのだそうです。 ガーン。

 不十分な確認のせいで、足腰の弱った両親にアップダウンの多い江の島を1周させてしまった、その罪の意識は重かったです(泣)




 ちなみに写真は、そんな夜の江の島の風景。

 ライトアップされた展望台は、写真をよく見ると、2パターンの色がありました。
実際に変化しているのか、単なる写真の色合いの違いなのか…


 また、木々の隙間から見える、片瀬の海岸や、彼方にえんえんとまっすぐ延びる渋滞道路には、独特の風情があります。


 最後の2枚は、江ノ島大橋 からの夜景です。
 (片瀬側と、江の島側です)





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