■ 農道の高地
                     (殿畑編)
神奈川県 三浦市 南下浦町 金田
【最寄】 京急バス 『 引橋 』・『役場下』
撮影 2007/02/08 ・ 2007/10/24 ・ 2008/02/16




 『農道の高地』 の候補地として、実はもう1つ有力な場所があります。

 殿畑 と呼ばれるこの場所は、変に青く波のない水面 のすぐ北の丘…


 その、房総半島を一望できる度は、柳作 を圧倒してあまりあります。

 何しろ、標高(推定)があちらの倍以上あり、大三叉路 から ほぼ一方的に下がるばかりの地形で構成され、畑と小数の民家以外にほとんど何も無い場所なのですから…


 惜しむらくは、その 『ほとんど何も無い』 風景が、漫画内の描写と異なる点。

 また、物語冒頭で、カフェアルファからバイクで走ってきたと思しきアルファさんが、その道中で 水没ぎみの谷間 を通過するのですが、「カフェアルファ 〜 殿畑」間には、そうした地形が無く… これも残念ながら、矛盾の1つです。



 それでも、自分の中で最後まで 柳作 と競った、その美しい光景を紹介したくて、資料をまとめてみました。

 どちらが本当の 『農道の高地』 なのか?

 その判断は、あなた自身にゆだねてみようと思います(笑)



(ただ、実を言うと、「カフェアルファ 〜 柳作」 の道中にも、こういう谷間は無いようなのです。

 それどころか、標高的には、あちらのほうが高い(したがって、近隣の水没の可能性も低い)ほどで…

 今でも自分の中では、どちらを推すべきか悩むのが 正直なところです。



 ちなみに、漫画内の風景からのヒントを改めてまとめると…

 - 背後に大楠山が見えていることから、アルファさんは南下している

 - 大楠山との間に、すでに水没している一帯がある

 - 大三叉路(引橋交差点でしょう)を少し越えてから、東に進む

 - 海をへだてて、千葉が大きく見えている



 以上をヒントに、再調査してみようかなぁ。

 でももう、あの一帯は、地図を描けるほど何度も行き来したし… うーん…)







 それでは、まずはアクセス方法から。


 現地は、バス停 『引橋』〜『役場下』 の、やや「役場下」寄りにあります。

(ただし、両者は別々の路線のバス停です。
 あくまで「位置的に見て」、この2つのバス停の中間あたり… という意味です)


 2つのバス停の距離は道なりで2キロ強といったところで、残念ながらこの道路自体にはバスは通っていないため、現地までは徒歩やバイクなどで向かう必要があります。



 ちなみに僕はルートとしては、「引橋 ⇒ 役場下」 をお勧めします。

 理由は、「上から下へと進むため、疲労が少なくて済むこと」と、「役場下でバスを待つ間、海を眺めていられること」 の2点です。

 ちょうど、三浦市の東側斜面を駆け下りるような形になります。


 以下に、それぞれのバス停の特徴もまとめてみましたので、あなたの好みで決めてみて下さいね。 (左の写真は、バス停 『役場下』 です)



【引橋】

京急『三崎口』駅からに向かうバスは、全てこのバス停を通る。
行きも帰りも頻繁にバスが訪れ、アクセスの容易さはピカ1。
ただし、現地からの距離はやや遠くなるため、戻りがちょっと大変。
三浦市で一番高い位置にあるバス停。
ここから「三崎口」に帰る場合のバス停は、交差点から南東へ
100メートル下った地点になるので注意。


【役場下】

京急『三浦海岸』駅から「剱崎」方面に向かうバスは、全てこのバス停を通る。
海のすぐそばにあるバス停で、現地への距離はやや近くなる。
ただし、行き来とも、30分に1本しかバスが無いため、逃すとちょっとショック。
近くには、店も何も無い。
『三浦海岸』駅に歩いて帰れないことも無いですが、2.5キロあるので大変。















 以下の紹介は、『引橋 ⇒ 役場下』 を基準に行います。


 バス停 『引橋』 を降りたら、南へ向かう道路の左側(東)へと横断歩道を渡り、南へと坂を下ります。 400メートルほどで、左折できるゆるい上り坂があるので、そちらに入ります。

 あとは、道ぞいに進むだけ。
道はクネクネしていますが、分岐はほとんどありません。


 前方に 『ニセ 台の原のお社』(笑) が見えるY字路は、左へ。
すぐに 『三浦海岸 公園墓地』 の入口が見えてきたら正解です。
 公園墓地には入らず、そのまままっすぐ降りていきます。

(ちなみに、Y字路を右折すると、『変に青く波のない水面』 の谷間へと下りていくかたちになります)



 このあたりの景色は、自分が 巨大な龍の背中 にそって歩いているような、ダイナミックな広がりがあります。


 700メートルほど進んだら、「数メートル上の畑に上っていける坂道」 があるので、これを登りましょう。

 ここからさらに 100〜200メートル入れば、海や 房総半島 を満喫できる、畑の中の農道に辿りつけるのです。











 グルリと周りを見渡すと、北東には 三浦海岸 をはじめとする長い砂浜が、南東には 雨崎 を含む丘が、そして東には 房総半島 がいっぱいに広がります。

 振り返れば、西の斜面には一面の大根葉と青空しか見えません。


 前方には一段下がるような感じで、別の畑が広がっています。

 そちらにも降りていけますが、畑があるせいで端まで入れず、視界はむしろ遮られてしまいます。



 ここでお弁当を広げて、流れる雲を1日中寝転んでながめていられたら、どんなに素晴らしいでしょう。

 でも、それは適わぬ夢…

 あなたが立っているソコは、地元のコンクリ農道の1つなのです。

 寝転べば耕運機の行き来のジャマですし、周りには畑仕事にはげむ地元の方々もいらっしゃいます。 きっと奇異の目で見られることでしょう。



 地元の方には決して迷惑をかけず、景色を存分に楽しんだら その思い出を胸に静かに帰路につくのが、正しい「ヨコハマ」フリークの姿勢です(笑)

 先ほどの大きめの道に戻り、そのまま坂を降りていけば、やがて海岸のそばの バス停『役場下』 に着くことでしょう。








 さて… 「景色が良い」という理由だけでココを紹介したかというと、実はそれだけでは無いのです。

 左上の写真は、さっきのパノマラ写真の一部を拡大して撮影したものなのですが、これを角度を変えて見てみると…


 なんと後ろに、青いトタンの小屋 が!  



 ただ、やっぱり付近の樹木の配置などが、漫画内の風景と比べると異なっていて、ナットクいかないのです。

 雰囲気ではどうしても 柳作 のほうに軍配があがってしまいますね。










 2008年2月

 別件でこの丘を訪れて色々と歩き回っていたところ、偶然にも 青いトタンの小屋 のそばに行き着きましたので、記念にパシャリ。


 中には、赤いトラクター。

 夏には後ろに荷台を引き、スイカを配って周っていらっしゃるのでしょうね。
(1軒ごとのノルマ 10個)





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