見た目の変化は少なく、個々のキャラクタの
日記のような感じの話が大方をしめます。


また、近所で唯一の子供であるマッキの成長を軸に、
じわじわと進む時間を表現した話が多めです。






  第111話    プラグ
 「今日はお客さんが来ない日だ」と、最近カンのさえているアルファさんは、カフェを休んでバイクで遠出をします。
 おじさんガススタンドの前を通って、北へ…
広めの平らな場所で小休止です。 『横浜横須賀道路』のどこかでしょうか?

 帰りにバイクがエンストして大弱りのアルファさんですが、夕焼けを見て和む心でキーを回すと、問題なくエンジンスタート。 ちょっと不思議な話です。



  第112話    武蔵野原
 ココネの小さな楽しみの話です。

 人の生活の跡すら感じさせないススキの海の中を、親友のシバちゃんと過ごします。 コンクリの建物の舟の上で。

 「火気厳禁」の看板があるところを見ると、かつてはガススタンドか何かだったのでしょうか? 21世紀に実在した場所がモデルになっている気がします。



  第113話    さかな
 お客さんの来ないカフェアルファのテーブルで居眠りをするアルファさん。
オーナーとの思い出が断片的に流れています。

 読者に今まで語られなかった、誕生直後のアルファさんの生活が見られる重要な話です。 初瀬野先生のもとで人間の暮らしと楽しさを覚えていくアルファさんは… やがて自分の道を自分で決めるまでに成長します。 オーナーの心境に思いを馳せると、なんとも複雑な味わいを持つ話です。

 やがて僕らが親になり、子供が自ら進む道を決め、親の手から離れていってしまうその時に…
 さびしくても、『大切なことだね』と言ってあげられる大人になりたいですね。



  第114話    はこにわ
 浜松で1人で暮らしているタカヒロが、ナイの飛行機で、久しぶりにかつての故郷の上空に訪れます。

 アルファさんをはじめとして、おじさんマッキたちが、ガソリンスタンドからその姿を見上げます。 めずらしい、マッキの正装が見られる話です。

 飛行機から、缶に入れた皆への手紙を投下して帰っていくタカヒロたち。
 「どうだった? 生まれた所 空から見て」と質問するナイに、
「きれいでした… 小さくて…」と答えるタカヒロ。

 彼方で小さく光る場所… それが故郷ではないでしょうか?



  第115話    初日の出
 初日の出を見に行くアルファさん。 場所は前回同様 城ヶ島でしょうか?

 同じく初日の出を見に来ていたマッキと出会います。 カフェアルファでのバイトを希望するマッキ。 先日のタカヒロの姿に、何かを感じたのかも知れませんね。

 それにしても、マッキ… アルファさんが2人きりで話すのって、これが初めてではないでしょうか? 南町でところてん食べたときは、「タカヒロ抜きでも会いに行く」て言ってたのに〜(泣)(泣かんでも…)



  第116話    松の木の下
 子海石先生『診療所』のそばの斜面で語る、先生とおじさん

 タカヒロがいなくなって「家の中が広くて広くて…」とコボすおじさんに、「そのうち慣れるものよ」とアドバイスの先生。 タバコを吸いつつ、とくに向き合うわけでもなく… しかし同じ方向を静かに見つめている2人に、無二の親友を感じます。

 「ひとつふたつでも なにか」を残せる人生…
簡単なようで困難な、1つの理想の生き様ではないでしょうか?



  第117話    高度1m
 アルファさんのバイクを借りて、練習するマッキ
アルファさんを後ろに乗せて、『北の大崩れ』までツーリングです。

 慣れてくると、乗り物と自分が一体化してくる感覚がありますが、その楽しさをマッキも感じ始めたようです。 マッキが、自立へ向けて小さな1歩を踏み出し始めた頃の話です。



  第118話    町で
 『ヨコハマ』に買い出しに来たアルファさん。
マルコの意外な営業顔を目撃して、彼女に仰天されます。

 マルコの苗字は自分でつけたもので、それは「オーナーへのけじめ」だとか。
 過去にオーナーとの確執があったのか… マルコの意地っぱりにも近い自立心によるものか… むしろ両方、という気がしますが。

 この日マルコは、今まで内緒にしてきた「ナイと自分が知り合いであること」を告げてアルファさんを仰天させ、してやったりの表情。
 気づけば2人の距離は、こんなに近くなっていたのですね。


 それにしても、こうやって営業顔で生活費を稼いでいるマルコの姿を見ると…
 以前、カフェアルファでアルファさんに毒はいていたのは、ココネ・ナイを独占されたような気持ちからの反撃以外に、自分と違う、日々を自分のペースで生きられるアルファさんに対するネタミもどこかにあったのかも? と推測してしまいます。



  第119話    ソバゼンザイ
 お客の来ないカフェアルファで、居眠りをするマッキ

 それを見つめるアルファさんの脳裏によぎる、幼い頃のマッキ…
幼い頃のタカヒロ… そして窓に映る、変わらない自分。


 「早いなあ」    「早すぎるよ」



          R&P
 アルファさんが駆る電動バイク「ラビット1号」と、同じくマルコの「ピジョン丸」。
 気合を入れすぎて、ゴールイン後も疾走しつづけ、彼方に走り去っていく2人。

 掲載当時は『ヒロイン争奪戦』とか銘打たれていたそうです。
ヒロインて、ココネ? だとしたら勝者は、最終話を読めば明らかですね。



  第120話    
 久々に、『北の町の公園』に夜景を見に来たアルファさん。

 アルファさんの座っている向きから、バイクは公園の西側に置いているようですが… どう見ても、現在の『横須賀中央公園』と配置が違うように思えます。
 帰るときにバイクを「北」に向けて走らせているのも、現在の道路配置から見ておかしいし…

 むむー… 『北の町の公園』は、本当に横須賀中央公園なのだろうか??
いつか解明してみたいものです。


 (2007年11月。 解明されました〜。)




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