ココネが現れたことで、アルファさんたちロボットの ルーツをさぐる という要素が加わり、物語の世界がじょじょに厚みを増してきます。 また、三浦半島から少し離れた異文化の地、 ムサシノ も初めて描写されます。 そして語られる、空をいく謎の巨大飛行物体 ターポン、 謎の生命体 「水神さま」 、 町の跡地である海面で今も光りつづける 無数の外灯たち… この世界が、単なる「水位の上がった日本」というだけでは 説明できない 謎 が、少しずつその姿を現しはじめます。 |
第16話
エプロン
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ココネが、プライベートでは初めて『カフェアルファ』に訪れます。
電気式のスクーターは、アルファさんたちロボットにも影響があるらしく、電源をオンにした瞬間の電圧変化が何かの刺激として感じられるようです。 アルファさんいわく「ちょっと気持ちいいね…」(小声で)。 ココネも応えて「そうなんですよ」(小声で)。 この前のコマでアルファさん、顔を赤らめて頭から湯気が出ているので、野郎は諸手を挙げて大喜びということでよろしいですか?(なにがよろしいのか) |
第17話
波
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アルファさんの奏でる月琴に合わせて、初めて聞く歌なのに、なぜかシンクロしてハミングできたココネ。 前身機のアルファさんと、後継機のココネによる、同じ根幹を持つロボット同士ゆえのシンクロでしょうか?
あるいは、以後のアルファさんがたびたび見せる、『異常なほど高い、他の機械とのシンクロ性』の一端だったのでしょうか? |
第18話
古都ムサシノ
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ココネの住む『ムサシノの町』が、部分的に描写されます。
「アパートの2階に住んでいるらしいココネ」(201号室)、 「特別裕福ではないココネ」(大家との会話)、 「道路の両端に並ぶ、異様に大きな街路樹」、 「路面電車」などなど… 『上北沢図書館』で調べものをして、『高井戸』の郵便局らしい建物そばのポストから、アルファさんに手紙を出しています。 よく見ると、「郵便社」という名前になっています。 「郵政民営化」後に、組織名を変更したようですね。 日々をマイペースにまったり生きていくアルファさんには荷の重い、彼女たちロボットの『ルーツ』という時間軸に関わる話が、ココネというキャラクタを使うことで味わえるようになり、物語としての奥行きが増してきた気がします。 |
第19話
北の大崩れ
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アヤセとアルファが初めて出会います。 場所は、『北の大崩れ』。
彼らが会っているのは現在の 海水浴場の駐車場跡 ですが、「長者ヶ崎海水浴場」の石碑も無くなり、今は土台の岩を残すだけとなっています。(P59) カマスが空中で静止していますが、体の大きい鳥類も、ははばたきよりも滑空によって浮力を得ることが多いそうなので、同様の理由によるものでしょう。 三浦半島の丘などで、トンビによる同様の場面に出会った方も多いのではないでしょうか? 7〜8メートルの高さをゆるゆると浮いているトンビが、ふと思い出したように空気の坂を滑り降りていく姿は爽快です。 ちなみに以前は、「北の大崩れ」があるなら「南の大崩れ」などもどこかにあるのでは? と思った事もありましたが、これらの地名は、三浦半島南部に住むアルファさんたちのつけた俗称なのかな? と、今では納得しています。 となると、どこを基準にしているか?が気になりますが… 「西の岬」「南町」「北の大崩れ」「北の町の公園」の位置から考えると、どうも『大三叉路』が基準点になっているようです。 現在の三浦市においても最高点(たしか)の場所で、交通の要所でもある事から、夕凪時代の地元民にとっても基点となっているのでしょう。 |
第20話
鵬(HOH)
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「カフェアルファ」の所在を示す、『 北の大崩れから、西の岬 まで20キロ』というアルファさんの貴重な発言があります。(P69)
単純に国道134号線ぞいに20キロ進むと 『城ヶ島』まで行ってしまいますが、 武山駐屯地 付近が水没していることから、山あいの道を南下して 三浦海岸 に迂回し、 引橋交差点 を経由して 黒崎の鼻 に帰れば、距離はほぼ正確です。 この日初めて、アルファさん、『ターポン』を見上げます。 |
第21話
水神さま
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いつか紹介しようと楽しみにしていたアヤセの話題を、当のアルファさんから聞かされたタカヒロ。 ちょっと不機嫌になってしまいます。
プレゼントを開封する前に、あっさり相手に中身を当てられてしまったときのような… そんな寂しさの反動でしょうか? 一方、アヤセは、「さいたまの国」の『見沼入江』へ水神を拝みに向かいます。 意外にも彼が、アルファさんのオーナー「初瀬野先生」と面識があったことが判明するエピソードです。 水神と呼ばれる物体は一見「石」か何かのようだが、生きており、しかし全く動かず、歳もとらない… という代物でした。 アヤセの脳裏に一瞬ミサゴがかぶります。 両者は同じ理由で生まれてきた生き物なのかもしれません。 |
第22話
ヨコスカ巡航
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大半が水没した『北の町』のそばの、『公園』に出かけるアルファさんの話。
夜になると、水面に突き出た無数の外灯が光る、幻想的な夜景を見れる場所です。 ほとんど人もいない場所で、何を動力源にしているのかも不明の謎の光たちを、子海石先生と見おろすアルファさん。 僕も夜景は好きですが、それはある意味「美しい」止まりの光景です。 もしもそこから人の匂いだけが消えたら… その光景は荘厳そのものではないでしょうか? |
第23話
今の人
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ミサゴの奔放な1日を描いた話。 寝て、食べて、興味のあるものを見つけると全力で追いかける。 のら猫のような暮らしぶりです。
100メートル以上はあるかと思われる彼方にいるタカヒロを見つけて、大喜びで走りよるミサゴ。 水面を疾走し、余力で岬のように出っ張った林を飛び越える異常な身体能力。 …結果はさんさんたる物でしたが。 岩陰から顔を出し、そのままの表情を維持して帰っていくミサゴは笑い所です。 近所のおじさんの読んでいる新聞には「鶏」の文字。 ある程度の大きな施設が必要となる「競馬」は、この時代ではナリを潜め、『闘鶏』が台頭してきたようです。 ミサゴの食べている蟹は「アカテガニ」といって、『小網代の森』でよく見かける生き物だそうです。 タカヒロの手のひらで蟹は泡を吹いていますが、蟹が泡を吹くのは「そろそろ水を補給しないと死んでしまう危険信号」だとか。 蟹が泡を吐くのは昔よく漫画などで見かけたので全然普通だと思っていたりですが、まさかそんなヤバイ状態だったとは! |